コラム

2014年5月25日号

 人手不足の影響が深刻化している。先日には、ある牛丼チェーンの28店舗がアルバイト店員の不足のため、営業休止したとのニュースが話題となった。ま た、震災復興事業や東京五輪関連等で、需要が急増している建設現場では、入札に参加業者が集まらない「入札不調」や、工期遅れの事態が相次いで発生。「業 績に、影響が出ている」との声も聞かれ始めた。いずれも「人手不足」が原因だ▼景気回復に伴い、ハローワークで職を探す1人に企業から何人の求人があるか を示す厚生労働省の3月の有効求人倍率(季節調整値)も1.07倍と改善が続いているが、「賃金を上げても人が集まらない」状況は、サービスや建設、製造 などを中心に幅広い分野に広がっている。特に、建設業の場合、55歳以上の割合が約34%を占めるなど、他の産業と比べ、高齢化が進んでいる。さらに、構 造物の高度化に伴い、熟練技能者の役割が不可欠だが、現実的には1992年に408万人だった技能労働者は、2012年には335万人まで減少。こうした 状況に政府では4月に、「雇用政策基本方針」を改正し、外国人労働者の受け入れ拡大などの施策を示している▼人手不足解消では、雇用条件の改善はもちろん だが、あらためて「一人」を大切にし、「人材」を「人財」に、着実に育てていくことだ。「育てる」と言っても、日々の仕事現場で、悩みや夢を語り合うこと から始まるのでは。「自分以上の人財に」―。この思いが、人を強くする。