コラム

2015年6月10日号

 30社を超す国内の有力企業が核となり、間もなく「インダストリアル・バリューチェーン・イニシアチブ」が立ち上がる。モノづくりと情報通信技術を融合し設備同士や工場をつなげ、それによる付加価値を最大化させることが目的だ。法政大学など「学」主導で実現した組織であり、「つなぐ」をめぐっては国際規格化を強力に推進、中小企業の参画も積極的に呼びかけるという▼大いに期待したい。しかし反面、成功を懐疑視する自分に気づく。水を差すつもりは無いが、過去から、連携事業に絡んで起業促進やら、日本ブランド確立やら、モノづくりネットワーク構築などと色んな取材をしたけれど、当初の熱はどこへやら、一定の事業期間を過ぎると消えてしまったり、形骸化したケースを嫌というほどみてきた▼悪く言えば予算やプランの消化試合。ある産学連携では、参画する企業から「リクルートも絡むから大学とはお付き合いしないとね」。本音を探ろうとすればするほど、がっかりな現実が見えるケースが少なくなかった▼しかしそうも言っていられない。世界中で製造革命が進行するなか、日本もベクトルとあわせ「産・学・官」による3本の強力矢を世界に放たねばならない▼次世代製造革命はテクニカル面で注目されるが、実はそれを生み出そうとする人々の心の改革が最大のポイントではないか。他社(他組織)に勝つ、でやってきた自分とは違う自分を出せるかどうか。その価値を本気で見出せるかどうか。「つながる」べきは人だ。