オヤジの喜怒哀愁

2014年5月25日号

高すぎる教育費

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 消費税増税、増税に伴う価格改定、便乗値上げ。値上げの春で家計は音上げである。一方、非課税とはいえ家計に一番重くのしかかるのは教育費ではな かろうか。昨年12月に日本政策金融公庫が公表した教育費負担の実態調査によると高校入学から大学卒業までに必要な教育費は子ども1人あたり1056万円 という結果になっている。
 これは、国の教育ローン利用世帯を対象に調査を行ったもので、約2万世帯に調査票を郵送、約5千世帯から有効回答を得ている。教育費が前年比24万円増 になっているのに対し、世帯平均年収は553万円と逆に5万円減少している。教育費が増加する一方、世帯年収は減少し、教育費負担が一段と厳しさを増して いることを物語っている。子ども2人世帯を例にとると、世帯年収に対する子どもの在学費用の割合は平均40%に達し、過去7年で最も高い。年収が低いほど 世帯負担は重くなり、年収200万円以上、400万円未満の層では58%に達している。
 年収の半分を教育費に持っていかれたのでは、暮らしが成り立たない。経済的理由で進学を諦める家庭も当然あるだろう。
 かかるのは前からわかっているのだから蓄えておかなければ、といわれる方もあるかも知れないが、子ども1人で1千万円、2人で2千万円、3人なら3千万 円。そう簡単に貯められる額ではない。したがって、教育ローンや奨学金を利用してなんとかやりくりすることになる。医療と教育にお金がかかるのは仕方がな いというのは親心だ。しかし、家1軒建つようなお金がかかる子どもへの支出は一般に教育費以外にはないだろう。ひとの足下を見て、ちょっと高過ぎるのでは なかろうか。
 教育費の高止まりは格差を固定、助長する方向に働く。高卒の子は高卒、大卒の子は大卒、医大に行けるのはお医者さんの子どもだけということにもなりかね ない。学歴に頼らないスキルを自ら身に付けるのが一番だが、世間はそう甘くはないから親は心配もし、高いと思いつつも教育にお金を出すのである。

 

中原亭(なかはら・てい)…金融、工業系と紙誌の編集を経て田舎暮らしにチャレンジ。現在、地方紙コラム執筆・地域雑誌編集のかたわら、田んぼを耕作。5人の子持ちオヤジ。