コラム

2015年6月25日号

 突然に晴れ渡った。日韓関係だ。両政府がそれぞれ開いた国交正常化50周年式典は祝賀ムードに包まれ、未来を志向し関係改善を呼びかける安倍首相、朴大統領の姿がマスコミを飾った。直前には泥仕合状態だった世界遺産登録の問題も一転、条件はいろいろあるにせよ協力しあうと合意をみた▼急転直下の歩み寄りには驚かされたが、歓迎したい。もちろん、これが序幕の結末に過ぎないのは誰でも知っている。一時の実利外交が導いた結果なのだろうし、米中など諸外国との関係から力学が働き、その所産として融和がなった面もあるのだろう。肝心の歴史認識における両国の溝は残ったまま。難しい関係を改善する何がしかのアクションがあったわけではない▼けれど、仮に確固たる理由がないとしても、国交50年のこの節目の記念式典で、両首脳が関係改善を求め合った事実は重いはずだ。これをキッカケに活かしたい。人生同様、組織や国家においても、ある種の契機が歴史を変えることは過去から多々あった▼歩み寄って近い存在になればなったで、時に軋轢もそのぶん増し、懸念される事態がやってくることもあるだろう。それでもやはり、最後は未来を見る両国の意思を信じたい。アジアを引っ張る両国の融和なしに地域の平和も安定も将来も開けてこない▼民間レベルでは両国間に様々なパートナー関係が芽生え、広がりをみせる。これが偏狭で一方的な嫌日・嫌韓感情を塗りつぶしていくこともきっと大事なのだろう。ことは政治の問題だけでない。