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情報ふんだん、モジュールポール

九大らが開発、市場化へ

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 背高ノッポの形状は、懐かしの校庭にあったトーテムポールのよう。福岡県産業科学技術財団と九州大らは、近い将来、テーマパークや街中に設置して役立てたいという「インテリジェントモジュールポール」(=写真)を、先ごろ東京ビッグサイトで開催の「スマートコミュニティJapan2015」で披露した。
 細身のポールには「多彩な機能を自由自在に選んで」盛り込める。このため様々な利用が可能だ。
 ざっと羅列するだけでも、「人が近づくと点灯する夜間照明に」、「叫び声などの異常音を感知しパトライト点灯・指定先通報を行う警備機器に」、「遠隔見守りカメラに」―と、このポール一つで複数機能が利用できる。 また「温度や湿度の検出装置」、「PM2.5の濃度測定装置」、「放射能(セシウム)の検出装置」としての役割も同時にこなせる。発想を変え、仮にバス停で利用すれば、液晶パネル部で到着時間を知らせたり、時刻表やお天気情報、ショッピング情報を知らせたり…も可能だ。
 開発したのは九州大学システムLSIセンター。縦に細長い外観は「特定機能を円筒形のモジュールに組み入れ、これを継ぎ足して」いるためだ。自由な組み合わせができるようにそうした。
 ICカードリーダーが組み込める点も見落とせない。九大では同ポールを完成させるずっと以前から、タイプBのICカードシステム(グローバルプラットフォーム仕様)を開発。現在では「九大の学生、教職員全員分の約2万6000枚ほか、近隣の自治体住民2万人以上がこのカードを利用している」(九大関係者)という。
 タイプBのICカードは、タッチ&ゴーが特長の交通系カード(スイカ、イコカ等のタイプA)と比較すると若干即応性に欠けるが、情報量を相対的にはるか多く入れられる。このためタイプBはパスポートに採用され、来るマイナンバーカードもこのB仕様になる。
 「迷子の子供がICカードをリーダーにかざせば、親に居場所情報を発信するといった機能も設けられる。これらはテーマパークなどで有効だろう。アトラクションの予約、おみやげものの予約などもスマートにできるようになる。我々が開発したICカードとの連携でできることはもっと広がってくるはずだ」と九州大学システムLSIセンターの石田浩二客員教授。そういう意味で、ICカード応用装置としての一面が、このモジュールポールにはある。
 試験的な導入例はあるが、一般販売はこれから。販売を担当する福岡市・スマートサービステクノロジーズ社では「入退室管理などにも使える。民間に広くアピールしたい」としていた。