オヤジの喜怒哀愁

2015年7月10日号

ドローン

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 2月に本紙で大きく取り上げていたラジコンヘリのような小さな無人飛行体がその後、いろいろなところで物議を醸している。4月には総理官邸に無人飛行体が墜落し、内部から微量の放射性物質が検出されるという事件が起きた。反原発を訴えるために飛ばしたと福井県小浜市在住の40歳男性が福井県警に出頭し、逮捕された。この小さな無人飛行体は「ドローン」と呼ばれている。
 ドローンは雄バチの意味だそうで、ラジコンヘリとの違いは自律飛行できることである。GPSを搭載しており、コンピュータに目的地を入力すると風などで機体が傾いても自律的に立て直しながら目的地まで飛んでいく。
 5月には、浅草の三社祭にドローンを飛ばすことを示唆した映像をインターネットに配信した15歳の少年が威力業務 妨害容疑で逮捕された。この少年はそれまでも長野の善光寺のご開帳法要中にドローンを落下させたり、また国会議事堂近くでドローンを飛ばそうとして注意を受けていた。
 ドローンを規制する法的根拠が乏しい中での少年逮捕には批判の声も上がった。自民党は皇居、国会議事堂などの重要施設上空を飛行禁止区域として違反者には1年以下の懲役か50万円以下の罰金を科す規制法案の素案を同月まとめている。
 一方、6月20日、神奈川県は火山活動の影響で立ち入り禁止になっている箱根山大涌谷の温泉供給 施設の被害状況をドローンを飛ばして調査した。映像は全国放送されたのでご覧になった方も多いだろう。ドローンは、昨年9月に噴火した御嶽山の土石流発生予測調査にも使われ、災害現場での利用に期待する声が高まっている。
 大手警備会社は同月からドローンを使った警備サービスの提供を開始した。工場内などに不審な人や車が侵入すると、屋上に待機していたドローンが飛び立ち、敷地内を追いかけて自動的に撮影するもので、固定監視カメラよりも警備の精度が高まるという。
 近年、写真や映像など見ていると、人が乗り込んだ飛行機やヘリから撮影する大掛かりな航空写真ではどう考えても撮れないだろうと思われる小回りの利いた航空写真、航空映像を見る機会が増えた。おそらくドローンだろう。
 「空飛ぶロボット」とも呼ばれるドローンの用途は多岐にわたり様々な可能性を秘めている。一方でテロを警戒する国では商業利用を厳しく規制する動きをみせている。新技術は両刃の剣。便利でもあり、厄介でもある。