連載

2013年12月10日号

5軸機の連続投入で間口広げる

組立一括受注を強みに
大日製作所[3次元形状部品などの精密加工・組立]
兵庫県高砂市

 大日製作所(兵庫県高砂市・従業員50人)がヤマザキマザックの対話式CNC装置搭載マシニングセンタを初めて導入したのは約30年前。今では、工場内の色調を白で統一したかのように、マザック機が整然と並ぶ。
5軸加工機の導入に力を入れており、2006年以降、ほぼ毎年1~2台ペースで新設し続けている。設備構成はマザックの 「VARIAX-S730-5XII」や「INTEGREX i-200S」など計11台。テーブルサイズもφ180~1000mmのバリエーションを用意した。
 専務取締役の橋本智裕氏は、「5軸加工は、とくに治具との干渉や刃物の突き出し長さによる加工条件を考慮しなければならない。だから機械の場合、大は小を兼ねない。ワーク形状やサイズに一番合う機械を選べるように揃えた」と話す。
 相次ぐ新型機導入が呼び水となり、ポンプなどの流体機器向け羽根形状部品や、航空機向け熱交換器のパーツといった新規注文が入ったものの、橋本専務は 「仕事の間口は広がったが、ワークありきの後追い導入ではない。あくまで多様化する顧客のニーズを見越した先行投資が目的」と至って冷静だ。
 今ではオペレーターの半数が5軸加工機を扱う。
 「専任のCAD/CAMプログラマを置かず、作業者自身が工具段取り、治具製作、プログラムの作成、実加工までのすべてを行う。治工具やプログラムの修正も人を介さずにできるので、実加工の感覚を即反映させられる」
対応被削材は、▽ステンレス▽アルミ▽鉄▽チタン▽耐熱合金―など。治具、刃物ともに市販品を上手く使い回しながら、必要に応じて自前で設計する。
 取材時見せてもらったのは、丸棒から削り出したディーゼルエンジン向けのピストンクラウン。端面の深溝が底へ進むにしたがって、外側へ反るように削られている。これは市販工具では対応できないため、工具先端を耳かきのような形に設計することで解決させた。
 航空機部品では、10年にサポイン事業として薄肉(厚さ1~2mm)・中空形状部品の加工法の開発に着手した。機体重量の軽量化に対応するもので、鋳物や製缶品など個体で形状が異なる部品に対して、5軸加工機を利用した高効率加工を目指している。

■完成品検査請け負う
 航空機部品を取り扱う関係上、3次元測定機などの間接設備にも積極的な投資を続ける。3年前から検査部門に専任スタッフを置くことで、最終の完成品検査工程も請け負う体制を整えた。
 大日製作所は、部品加工以外に、組立ラインも備えている。
 発注伝票1枚で機械加工を含めた部品調達、組立、検査を一貫して実施できるのが強み。これまで精密計量機器、コンプレッサ吸気調整弁、ギアポンプ、遠心ポンプなどを手がけてきた。
 「船舶用ポンプの場合、100分の1レベルの組立精度が求められる。品質管理のために、当社独自のマニュアルを作成し、作業の標準化を図っている」
 部品加工、組立ともに取引する業界が年々広がっているそうで、「大手企業からは試作品などの依頼が直接寄せられる。短納期で、難度が高く、数が少ない。そういう他社が簡単には対応できないような仕事を、複数の5軸加工機を駆使して対応していく」という。
 橋本専務に売上拡大以外の理由を聞くと、「なぜなら新規の仕事がないと、考える力が生まれないから」。そう明快な答えが返ってきた。