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世界最大級のモノづくり専門展「日本ものづくりワールド」開催

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 世界最大級のモノづくり専門展「日本ものづくりワールド」が6月24日から3日間、東京ビッグサイトで開催し、ほぼ目標達成の8万1469名の来場者をカウントした。出展社数は実に2253社。膨大数の新発表と提案が繰り出された形だ。ここでは、同展を構成した4つの専門展のうち「設計製造ソリューション展(DMS)」を中心に振り返ってみたい。PLMやCADなど各種先端ITソリューションを並べた同展は、目下の関心事である「次世代製造」の姿に直接・間接で描き出そうとしていた。
 製造業のチェンジマネジメントに欠かせないソフトとしてPLM、MES、ERPの3つが上げられる。このうちPLM(製品ライフサイクルマネジメント)はモノづくりの構想設計からデジタル解析、製造、出荷…と文字通り商品ライフサイクル全般をカバーし、一元管理を行うソフトだ。このためインダストリー4.0やIoT絡みでダイレクトに注目される。
 そのPLMの提案で関心を集めたのがNECのブースだった。世界市場はダッソー(仏)、シーメンス(独)、SAP(独)、PTC(米)ら欧米勢に席捲されるが、日本市場に限れば、国内調査機関の調べでNECが過去20年、トップシェアを握り続けるとのこと。BOM(部品管理)をベースに設計から生産の技術情報を統合する同社のPLMは、欧米製のそれと毛色が異なる。欧米製と同社製2つのPLMを導入するユーザーも多いよう。部品製作・基盤技術をベースに世界で名を上げた日本のモノづくりの在り方とNECのPLMは親和性が高い、といった評だ。会場では設計変更に適宜連動するBOMシステムをアピール。またインターネットやクラウドを経由してシステムを提供する「SaaS」の仕組みや導入実績を知らせた。「SaaS方式で当社PLMを導入し成果を上げるユーザーがアジアのローカル企業などで増えつつある」(同社)といい、これまでの主要顧客だった自動車、電機などの大手に加え「業種では食品や素材業など。会社規模では中堅以下へと提案を広げたい」とした。
 CAD絡みでは、モノづくりデータの互換性や共有に関するソリューションが「今やもう当然」といった面持ちで提案された印象だ。
 米PTC社(日本法人)は「様々なCADデータを上手に統合」などのタイトルで何度もデモンストレーションを実施。一つのCAEで複数のCADを解析し、全体の効率アップにつなげるといった提案をした。異なるCADデータをつなぐだけでなく、各々の特徴を統合してプラスαの価値を作るという提案も、欧米のビッグベンダーらから相次いだ。
 「つなぐ、つながる」のキーワードに沿って、多種多様なプレイヤーが会場のビッグサイトでまさにつながっていた点も興味深い。今回は、例えば、工場設備の稼働率などを見える化・分析し、改善させるシステムを提案した三菱電機のブースにPLMベンダーが内部出展、コラボによってより広域に効率化を提案するといった姿が―前回もあったがそれ以上に―目に付いた。こうした取り組みは次世代製造業を手中にする為に不可欠のものだ。
 前出のNECは、自身が行ってきた生産革新活動やサプライチェーン改革の為の「NECものづくり共創プログラム」を強化中だ。現在562社の会員を有すが、同プログラムにて会員同士の情報交換を行う「ものづくり研究グループ」内に「Industrial IoT分科会」を発足させ(今年8月予定)、効果的なIoT活用方法・課題の研究、会員間での実証実験、関係省庁・団体との情報交換などを推進するという。
 他のソフトに目を転じるとCAMで最新バージョンが複数みられたほか、CAMのパス生成機能を活かしロボットを動作させる提案も、これまで以上に深さを増した。CAMベンダーのゼネテックは独KUKA社の多関節ロボットとCAMシステム(マスターキャム)を結び、立方体の発泡スチロールから古代エジプトの美女の顔を柔らかく精緻に削り出していた。

 ロボットでは隣接の機械要素展に出展したヤマハ発動機の複数のスカラロボ+リニアコンベアが圧巻だったのではないか。業界初というリニアコンベアモジュールは高速送りで搬送時間を従来比約3割削減。このスピードについていく次世代スカラロボットがラインに沿って高密度に並び、コンベアトラッキングやサーボシーリングを実施。「試算では1分あたりの生産量を50%向上させられる」と。「天吊り構造の新製品だと繰り返し位置決め精度はXY軸±0.01ミリで、パラレルリンクロボより高精度」、「モジュールをつなげるだけで簡単にラインを構築でき、ラインの増減や段取り替えが簡単に行える」―などのアピールがあった。
 このほか、昨年同様3Dプリンターも盛況。「ブームは峠を越した」旨のコメントがいくつか聞かれたが、人だかりができていた。多種の樹脂に対応し最大1㍍幅まで造形できるタイプを世界大手ストラタシスが披露したほか、個人向けデスクトップ型なども様々。3Dプリンターを利用しやすくするため、データ容量の軽量化技術やクラウドなどを利用したCADレンタルなど、多くの提案が見られた。