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鈴木油脂工業、洗浄剤 顧客別に調合

コストと排水も負担軽減

 鈴木油脂工業(大阪市東淀川区)は、顧客の細かい要望に応じるオリジナル洗浄剤の提案を強化している。
 全国の営業所に技術販売スタッフを配置。社内の研究部署で顧客別にサンプリングした後、部品・設備に最適な洗浄剤を開発する。部品洗浄に限らず、サビ取り、工業用手洗い洗剤、業務用クリーナーなど、これまで開発したすべての商品カテゴリーを対象にした。
  営業統括副本部長の田上英二氏は、「洗浄する素材が同じでも、汚れ次第でアプローチの仕方が大きく変わる。付着したものが取れても、すすぎが甘ければ、残った洗浄剤がサビの原因になることも少なくない。排水処理とコストカットの点でもメリットがあるように、最適なものを提案している」と話す。
 安全弁専門メーカーの福井製作所(大阪府枚方市)は、流量試験に使用する大型タンクの内部洗浄に、鈴木油脂工業のサビ取り剤を使った。サビ自体は微量ながら、そのまま放置しておけば、タンクの肉厚が少しずつ目減りして耐久性に影響を与える恐れがあるからだ。
 洗浄成分は、サビ取りに有効とされる酸性ではなく、素材の劣化や割れの心配がない中性を採用。河川の水質や浄化槽の微生物に影響を与えるpH値は、「1.0pH減らすのに、1000リットル以上の水が必要なため、洗浄性能を落とさず、排水の手間を最小限に抑える」(田上副本部長)点にも配慮した。
 鈴木油脂工業は、汚れ除去に加え、サビの発生抑制にも一役買っている。洗剤を洗い流した後、水溶性防錆剤を使うというものだ。福井製作所の高山雄亮主任(技術チーム)は、「鉄とサビは切っても切り離せない関係にある。タンクなどの生産設備に限らず、当社が生産する安全弁にも活用できるのでは」と期待を寄せる。
 大型タンクの洗浄は年1回程度。タンク周辺に足場を組み、排水だけで半日もかかる。使用する洗剤の量も相当なものだが、「設備をまるごとステンレスにすることを考えれば安いもの。性能を維持する上で、ある程度のことは予算化している」(高山主任)という。
 田上副本部長は、今回の商談について「辻本機工様の紹介で、具体的な案件につながった。販売店とのコミュニケーション、当社の技術スキルが合わさってこそキメの細かい対応ができる。単発で終わらず、長いお付き合いができるように技術提案を続けていきたい」と話していた。