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イーグル・クランプ「奈良事業所」新設

機能集約で生産性向上へ

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 今年7月、イーグル・クランプ(津山信治社長)は奈良県生駒市に事業所を新設した。敷地面積は約3600平方m。開発から生産、在庫管理、出荷まで、各所に点在していた機能を一カ所に集約することで、生産性の向上を図る。
 同社の主力品目は重量物の搬送で活躍する吊具。材質が鉄(特殊鋼)のため、質量が大きく、吊り荷や用途に応じて品数・部品点数も多くなる。
 そこで事業所の中心部に、1階から3階まで吹抜構造の立体自動倉庫を新設し、336パレットと5460バケットの収容能力を備えた。バケットに取り付けたバーコードを自動で読み取り、データを更新。システムで入出庫の状況を管理する仕組みにした。
 隣接する道路の高低差を利用して、人と資材・製品の動線を完全に分離。入荷と出荷が重なった場合の待ち時間を短縮するだけでなく、安全性も向上させた。出荷場にはクレーンや荷役補助装置などの物流機器を揃えることで、荷役作業の身体的な負担を減らしている。
 生産工程の自動化も進行中だ。今回、レーザ加工機やマシニングセンタを新たに導入。専用機と多関節ロボットを組み合わせた同社独自の加工システムは、「これが稼働すれば今まで人手が必要だった多品種・小ロットの複雑な部品の加工を、24時間無人で行うことができる」(津山社長)という。

■事業中断対策にも考慮
 奈良事業所は、BCP(事業継続計画)の観点からも重要な意味をもっている。自然災害などで本社機能が停止したときの代替拠点だ。
 事業所内に本社のバックアップ・システムを導入したほか、倉庫には非常用の水と食料を備蓄。屋根に非常用電源として転用できる太陽光パネルを設置した。
 メリットはそれだけに留まらない。事業所のある北田原工業団地の近くに、大阪、京都、名古屋へアクセスしやすくなる国道163号バイパスが通る予定になっているからだ。
 津山社長は、「これまで(旧工場の)生駒から大阪本社の倉庫まで製品を運んでいた。生産と倉庫の機能を集約したことで、物流コスト削減と生産性の向上を同時に進めることができるはず。製品の構造上、生産体制をすべて自動化・ライン化するのは難しいが、効率の向上により、需要の拡大に対応できる体制を、協力工場とともに築き上げていきたい」と話している。