News

車載用センサ、2020年に世界市場で3兆円超え

環境規制・低燃費、安全対策が後押し - 矢野総研が調査 -

 矢野経済研究所はこのほど、車載用センサの世界市場についての調査を実施し、結果をまとめた。それによると、環境規制や燃費向上、ADAS(先進運転支援システム)の普及拡大などがプラス要因となり、2020年の世界市場規模は、3兆1487億円に達すると予測している。
 調査は、今年4月から7月の期間、カーエレクトロニクスや半導体、電子部品の各メーカーを対象に行った。車載センサとは、自動車の各種システムを制御するために必要な情報(回転、角度、圧力、衝撃、速度、物体)を検知するためのデバイスを指すと定義。今回の調査では、エンジンを制御するパワートレイン、電動パワーステアリングやブレーキなどのシャーシ/セイフティ、ヘッドライトやエアコンなどのボディ、ADAS(先進運転支援システム)、HV(ハイブリッド車)/EV(電気自動車) 向けなどの制御系別に搭載分野を分類した。
 2014年の車載用センサの世界市場規模(メーカ出荷金額ベース)は、前年比26・8%増の2兆2543億円に拡大。15 年も引き続き堅調に推移し、市場規模は前年比5.9%増となる2兆3871億円に増加すると予測。「特に大きな成長が見込めるのがADAS向けセンサで、15 年は同36.6%増の4062億円に拡大する」とした。
 今後の見通しとして、車載用センサの世界市場は14 年から20 年までの年平均成長率が5・7%で成長し、20年には3兆1487億円(同)に達すると予測。同研究所では、成長要因として、環境規制、燃費向上に向けたパワートレイン向けセンサの需要拡大、日本、米国、欧州および中国市場でのADASの普及拡大であると指摘している。
 パワートレイン向けセンサは、燃費向上のために欧州メーカーだけでなく国内メーカーでもダウンサイジングエンジンの搭載が活発化し、直噴エンジン、ディーゼルエンジンで搭載される燃料圧センサ、ターボチャージャー用過給圧、排気圧センサの需要拡大が見込まれると分析。また、自動車による大気汚染物質の排出規制であるEuro6CにおけるPN(排ガス中の固体粒子数)対応に向けて、ガソリンエンジンの排出する粒子を捕捉するGPF(ガソリン・パティキュレート・フィルタ)の採用も欧州市場で高まるとした。さらに、燃費向上のためにトランスミッションの多段化と小型・軽量、高機能化の進化に伴い、圧力センサ、ギヤの回転角センサの搭載個数が増加する傾向にあると指摘した。また、成長が期待されるADAS向けセンサは、14年の2973億円から、20年には9094億円に拡大し、車載用センサ市場全体に占める割合も、13.2%から28.9%に上昇すると予測した。
 今後の見通しでは、検知精度向上、システムの多機能化の面から、複数個のセンサを搭載するセンサフュージョンが中心になり、車両1台当たりに搭載されるADAS向けセンサの数量が増加。歩行者検知が可能なフロントカメラ(センサ)は必須となり、距離を計測してオートクルーズコントロールなどを実現するミリ波レーダも搭載。フロントだけでなく、駐車支援や接近車両警告のためにサイドやリア検知に使われる超音波センサ、カメラ(センサ)、レーダなどの需要も見込めるとした。