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東京モーターショーに81.2万人

自動運転やFCV…、クルマの概念を変える

tokyo 第44回東京モーターショーが(一社)日本自動車工業会の主催により、国内外160社の出展規模で11月8日まで開催した。好業績が伝えられる自動車業界だが、国内外でのリコール増、フォルクスワーゲンの不正問題、軽自動車の売上減速・国内生産の減少傾向と、ひと皮剥くと不安要素も少なくない。そんなかでショーは、どれほどの説得力を持って未来のモリビリティ社会を提案したのか。

■自動運転、焦点に
 ワールドプレミア75台、ジャパンプレミア68台を含む417台のクルマを集結させた今回の東京モーターショー。
 来場者は「前回(90万2800人)より1人でも多く」(自工会)を目指したが、天候の影響もあり81万2500人と1割ほど減った。フォルクスワーゲンが華々しいオープン初日(プレスデー)に謝罪会見を行うひとコマもあり、また「若い人の来場がどうも少ない」(関係者)という事情もあってか、クルマの祭典としては、賑やかさの熱が足りない感じ。アンケートによる来場者満足度は前回から約4ポイントアップの91%と高かったが。
 そうしたなか、技術面では「自動運転」が現実的なテーマとしてクローズアップした。特に日産自動車とメルセデスベンツは「自動運転」を展示物の目玉に据えた。2020年の完全実用を目指す日産は「安全さや効率面だけでなく、加速感やコーナリングなど、保有者の運転を人工知能で学習し、あたかも保有者自身がドライブしているようにクルマを自動運転させる」などと技術成果を説明していた。
 自工会はモーターショーの終盤、11月6日に「自動運転ビジョン」を発表。また同日、トヨタ自動車も「AI新会社を米国で設立、5年間で1200億円投資」などと発表しており、自動車産業の目指す方向が一層鮮明になった。自工会の自動運転ビジョンでは(1)2020年までを自動運転技術の実用化・導入期、(2)2030年までを普及拡大・展開期、(3)2050年までを定着、成長期―としている。

■国際競争力キー
 今年が普及元年とされる燃料電池車(FCV)や、電気自動車(EV)の技術も様々が見られた。ただ関連する部品メーカーらからは「次世代技術をめぐる受注競争は従来に無く厳しい」(出展した制御系大手)の声も一つふたつと聞かれた。
 「価格、スケール対応、標準化などを巡って競争要因がいくつもあり、オールオアナッシングのリスクがある。自動運転に絡んでは欧州製のレーダーなどが日本市場でも採用方向にあり、脅威に思う」とも。
 また、前回展に比べ異業種の参加が目立たないとの指摘もあった。
 今展はカーメーカー主体の情報発信が多く、前展ではクルマと未来社会を絡め、住宅大手など異業種企業が複数、大々的にアピールしていたが、ある面、そのあたりは後退した感。クルマと人と都市の関わりをテーマにしたコーナー「スマートモビリティシティ2015」では、「商品展示でなく、未来社会の提案に努めたブースにして欲しいといわれてきたが、各社足並みが揃ってない。出展社も減っている」(某出展メーカー)と聞いた。
 「きっと、あなたのココロが走り出す。」をテーマにした今モーターショー。クルマへの憧れを引き寄せるようなスポーツカーや未来志向のデザインカーの出展も多かった。次回は2017年秋、東京ビッグサイトで開く。