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MSTコーポレーション、タイでグラファイト受託加工

金型用電極を軸に展開

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 MSTコーポレーション(奈良県生駒市)は、今秋からタイでグラファイトの受託加工を開始した。首都バンコクに隣接するサムットプラカーン県内に工場を構え、自動車金型の放電加工に必要な電極を製作・出荷する。
 今年3月、現地法人「MST Corporation Thai LTD.」を発足。資本金約5500万円でスタートし、設備選定と人材確保を進めてきた。工場の位置する同県バンプリーは、自動車部品や電装機器などのサプライヤーが集積する工業団地として、日系企業も多く進出している。
 法人代表の河本智氏は、「年間生産台数が180万台(2014年実績)を超えるタイでは、とくに日本車が人気。放電時間が短く、銅に比べて原料価格が安定しているグラファイトは、短納期を求める日系金型メーカーのニーズにぴったり合っている」と話す。
 受託開始にあたり、200平方mの加工エリアにグラファイト加工機を3台設置した。各機とも切削時に発生した微細な粉を吸引する集塵機内蔵の特殊仕様機で、「11月中に3台追加する予定」だ。
 従業員数は河本氏含めて6人。「日本と物流事情が異なる」ため、河本氏自ら営業だけでなく納品も担当している。日系企業の取引先を広げる一方、地元企業の商談も出始めていることから、プログラム作成ができる現地スタッフの採用を検討している。
 「受託加工を専門に展開する現地企業の存在も確認している。しかし、値段が同じであれば、納期厳守や品質管理が強みになるし、実際に日系企業のお客様に喜んでいただいている。電極は一品一様。急ぎの注文でも対応できるように、余裕を持って受け入れられる体制にしていきたい」
 同社は2009年、日本でグラファイトの受託加工に着手した。加工内容の約9割が金型向け電極。24時間自動生産体制を敷いている本社工場の稼働率は高い水準を維持しているという。
 タイへの進出理由について、「グラファイトは日本の輸出規制が厳しく、海外で需要があっても対応できなかった。タイであれば、シンガポールなどのASEAN諸国にも出せるし、日本に納めることもできる」とした。