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3DPやIoTテーマに日独識者が講演

「産業変革は複写機分野ですでに起きている」

 日独ビジネスを加速させる「第11回日独産業フォーラム」(ドイツ貿易・投資振興機関主催)が11月10日に東京・千代田で、12日には名古屋市で開催され、3Dプリンター(3DP)を使った積層技術やIndutry4.0(第4次産業革命)の広がりが紹介された。約150人が聴講した東京会場ではフラウンホーファーIWU(工作機械・成形技術研究所)のヴェルフグントラム・ドロッセル所長が基調講演し、近年注目されている自動化はセンサーや認知システムなどを利用して生産性向上に寄与していることを紹介。「3DPにはプラスチック、金属、バイオと様々な材料が使え、デジタルの世界からいきなりリアルな世界へ飛べる。ロット数に依存しない積層技術は将来、バイオプリンティングの応用も考えられる」と話した。
 日立製作所生産イノベーションセンタの野中洋一主管研究長はIoT(モノのインターネット)によって引き起こされようとしている産業変革を、プリンターの世界ですでに起きていることを例に説明。「Windowsがビジネスシーンで使われ始めた20年ほど前は個々のパソコンに専用回線で接続していたプリンターが、今はFAX、スキャナーと複合機能化しネットワークにつながり、周囲で共有される形で使われている。同様の変化がモノづくりでも起こりつつある」とし、「きれいに印字できることに価値があったプリンターに、コンディションを遠隔でモニタリングできるといったサービスが現れた。固定的な設備・組織・情報経路が採用されている今の工場でも同じような変革が起きようとしている」。
 アーク溶接によって高速造形できる自社製の金属3DPを紹介したのは武藤工業の竹内利一3Dプリンタ営業部長。「マグネシウムやエンジニアリングプラスチックの造形も可能。衝撃を受けても破片にならない車のバンパーや傾斜材もつくれる」と話した。同社は培ったプリント技術を生かして近く、医療用生体レプリカの出力サービスを始める考えも明らかにした。
 エアバスAPワークス社のヨアヒム・ツェットラーCEOは3DPユーザーとして積層造形による時間短縮と軽量化の効果を示した。「95週間かかっていたアルミやチタンの鍛造・機械加工は、3DPなら適切なデザインと品質を維持して12週間に短縮できる」とし、アームレストを従来のアルミから特殊材(Scalmaloy)に代替するだけで航空機1機で30㌔グラムほど軽くできたと言う。