コラム

2016年1月25日号

 新年からほぼ連日、産業界の賀詞会を回った。アルコール片手の挨拶も兼ねた取材だが、メモには案外、数字が混じる。各種数値目標やイベント日程、そして挨拶などで発表される業界実績の予測値▼ただ今年は、新年から株価下落だなんだと思わぬ動きがあり、数値予測は難しい感じも。そんななか某外資系生産財の日本法人トップは「当社は売上の目標値を立てない。他社より10ポイント上を目指せと言っている」と話した。仮に業界が20%減なら10%減で食い止め、1割伸びるなら2割増を狙えというわけだ▼なるほど、常に相対優位を保てれば、結果として勝ち組になれる。この社長は「四半期毎に決算短信を出す上場企業じゃ無理だろうけど、本当は自社の数字より、市場全体をみて評価すべき」とした▼数字絡みでもう一つ。業種業界によって、指標となる統計値が受注ベースだったり販売額などと異なる。その理由はあるわけだが、時に景況度の単純比較が難しい。「あの業界の受注が伸びたから、そこに機器を提供するこの業界の販売額は2~3カ月後に伸びそう」などと推測もできるが…▼しかし、海外生産が進んだ業界なのに、国内生産額を今なお指標的に扱うケースもあるのはどうか。国内生産額は右肩下がり。だが業界が悪いわけでないなどとなる。統計の継続性を重視するあまり、意味を持たなくなった数字が残存する▼ある経済人は「GDP(国内総生産)至上主義の弊害」と言い切ったが、変革が言われる割に見直されない事象は、普段の数字一つとってもいろいろある。