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豊橋技科大、FSWで異素材を接合

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 摩擦撹拌接合(FSW=Friction Stir Welding)が様々な部品の軽量化に結びつくとして近年、注目されている。英国溶接研究所(TWI)がもつFSWの基本特許が昨年、期限切れしたことも追い風だ。FSWはモーターによる回転工具の摩擦熱によるため、スポット溶接の20分の1以下の電力消費で済むうえ、スパッタやヒュームの発生がなくクリーンといったメリットもある。
 豊橋技術科学大学大学院の福本昌宏教授(機械工学専攻)はアルミ同士の接合を対象にしたTWIの手法を応用し、10年ほど前にアルミ・鉄の接合に成功(国内特許を取得)。通常の溶接でアルミと鉄を接合しようとすると、仲がよすぎる2者は反応して脆くて割れやすい化合物を生成してしまう。ところが福本教授は「FSWなら塑性流動を起こす固相接合となり、つまり溶かすまではいかない接合のため、この課題を克服できる」と言う。
 異素材の接合は自動車部品を軽量化できるためニーズは大きいと福本教授は睨んだ。だが、問合せはあるもこの技術の利用は思うように広がらない。「私の手法は突き合せた金属の界面を接合するものだが、自動車分野は薄板が多く重ね合わせた材料の接合が求められるようだ」と見る。ただ、福本教授の手法は厚板にも対応できるため、船舶や航空機などの分野で利用される可能性がある。鉄・アルミに加え、この2年ほどはCFRP(炭素繊維強化プラスチック)・アルミの接合にも取り組み、手法を確立しつつあるという(今年3月までの5年間の「知の拠点あいち重点研究プロジェクト(I期)」での成果)。