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中小モノづくりのメッカ、大田区で連続して技術展

「試作市場」―3Dプリンターなど見せる
「加工技術展」―高難易度の技やアイデア

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 モノづくりのメッカ、東京都大田区でクロウト受けする展示会の開催が続いた。5月29日と30日には「試作市場2014」と「精密・微細加工技術展2014」が日刊工業新聞社の主催で開催、3200人近くが来場した。翌月13日には(公財)大田区産業振興協会の主催により同区の精鋭100社がそれぞれの技術を、約2150人の上位サプライヤー/セットメーカーの購買担当者らに見せ、商談を広げた。

■試作、3DP活用積極  
 このうち「試作市場」は、大田区が得意としてきた試作に焦点を絞って開催。「板金試作最短3日」、「最短1日で樹脂成形」などをキャッチフレーズに、大田区内外から加工業者40社ほどが出展した。今回は3Dプリンター(3DP)の展示が前回以上に増加。3DPによる出力サービス事業が複数紹介されたほか、比較的多かったのが、積層造形したワークへの2次処理加工(塗装、表面処理、めっき)の提案。また3DPそのものは、高シェアを握る海外メーカー品から、中堅企業の開発品、町工場発のものまで多彩な顔ぶれとなった。  新設した「3Dプリンタゾーン」では、CGS、ローランドディージー、丸紅情報システムズ、データ・デザインの4社がタッグを組み、高精度3Dカラースキャナー、切削RP、3DP向け簡易CAMなどを各々提案した。切削RPと3DPを加工法として適材適所、分けて仕上げたサンプルモデルなども見せた。
 他方「精密・微細加工技術展」は金型切削、部品切削、プレス加工、深絞り加工など幅広い分野で出展各社、先端の技術を紹介した。

■将来の大田区技術者を表彰
 その約2週間後に開いた「第7回大田区加工技術展示商談会」は例年通り、一日限りの開催となった。商談会の主役(出展社)は大田区の町工場。出展100社中、半数以上が10人以下の小規模企業であり、ルーチンの仕事と展示会の両立は人的資産から厳しい、との声を反映して「一日限り」に決めたものだ。
 技術を大きく4つ、除去、成形、付加、表面に分けそれぞれの分野の大田のエキスパートが並んだ。
 どうすれば削れる?と思わせる複雑ワーク。直径6センチのガラス製地球儀を北極から南極へ貫く0.3mm径の細穴加工。通常の3軸マシニングで仕上げたというメッシュ形状の加工物は5軸機でも難しく3DPによる加工としか思えない…。このように技術中心にQCDの各々で大田区ならではの冴えと深さをみせた。主催の大田区産業振興協会によると、閉幕後、出展社からは「今年、この日ほど充実した日は無かった」の話も飛び出していたという。「まだ出展社アンケートをまとめていないが、ワークや図面を実際に持ってくる来場者も多く、見積依頼も相当にあって充実した商談会になったと感じている」(16日、同協会・取引促進グループ)としていた。
 いま一つ注目されたのがこの商談会会場で開かれた「大田の工匠 Next Generation」の表彰式。新たなイノベーションを起こす技術者13人が選定され、表彰を受けた。表彰事業を通じ、区内中小企業の振興、若手人材の育成につなげる。