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ホンダ、新発想の量産完成車組立ラインタイ新工場に導入

工程ロス削減で、生産効率を大幅向上

 ホンダはこのほど、四輪完成車組立のメインラインに流動型のセル生産方式を組み込んだ「ARC(アーク)ライン」を開発。この組立ラインは、同社のタイ四輪車生産販売現地法人「ホンダオートモービル・タイランド」(HATC)のプラチンブリ工場に導入したと発表した。
 新ラインは従来、四輪車の生産現場で広く採用されてきた、コンベア上を流動する車体に組立作業者が単一工程で部品を組み付けていく「ライン生産方式」ではなく、作業者が広い範囲の工程を受け持ち、複数部品の組み付けを行う「セル生産方式」の生産ユニットをメインラインに組み込んで流動させた、「世界初となる革新的でユニークな組立ライン」(同社)という。
 1台の車体と1台分の部品を積載した搬送ユニット「ARCユニット」に4人の組立作業者が乗り込み、車体と一緒に移動しながら組み付け作業を行う。このため、従来の製造工程で発生していた「流れてくる車体の仕様に合わせて必要な部品を選び、歩きながら組み付ける」という本来の組み付け作業以外の付帯動作を低減したことで、「工程ロスを削減し、生産効率の大幅な向上を実現した」(同社)としている。
 さらに、1人の作業者が従来よりも広範囲な工程を担当することで、製造工程に関してより幅広い知識と技能を習得することが可能となり、将来的には開発現場へ生産現場の意見をフィードバックできるような「熟練作業者」を育成する効果も期待できるという。

■ARCラインに採用した主な技術
◇ARCユニット=車体、部品、組立作業者の作業スペースの配置をそれぞれ固定した状態で流動可能な搬送コンベアを兼ねたユニット。作業者同士の動線が重ならないため、4人の同時作業を可能としたほか、ムダな付帯動作の低減により、作業効率を約10%向上。さらに、搬送コンベアの形状をループ状にすることで、組み付け開始時の部品箱投入と、組み付け完了時の空箱回収の拠点を1つに集約。部品の搬入拠点数を最少化することで、工場内の部品運搬作業量を既存ラインから約10%削減した。
◇PLUTO(プルート)システム=ARCラインにおける組立作業者の技能レベルと完成車品質の高位平準化を実現する品質の維持・管理をサポートするシステム。ARCユニット上の作業スペースに設置されたタブレット端末で、作業者に部品の組み付け順序や品質管理ポイントなどの指示を画像と音声で行い、習熟不足による誤った組み付けなどの人的ミスを防ぐ。
◇DiSC(ディスク)システム=生産計画と連動し、組立作業者の手元に適切な部品を供給する作業を支援するシステム。ARCラインに隣接する部品保管エリアの担当者が部品をそろえる際に、部品が収納された棚のランプが光ることで必要な部品の位置を知らせることで、様々な車種が混在するラインでも、間違いのない部品供給を可能にした。