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「世界一エコ(低炭素)な乗り物、誰でも作れます」

オーストリア エネルギーグローブ国別環境賞を受賞 宮村 智也 さん

 日本ではやや馴染みが薄いが、世界的には著名なオーストリアの国際環境賞、ENERGY GLOBE Award。複数の部門に分け、全世界で最も優れた環境プロジェクトを表彰するこの制度は、授賞式が全世界へテレビ中継されることでも知られる。  そんな同賞の2014年国別賞(日本)に、宮村智也さん率いるソーラーカーチームが提出した「エネルギー自立可能な電動超小型モビリティシステムの実証」が選ばれた。

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 写真の超小型カーでエネルギー自立を実証した。バッテリー容量は通常の電気自動車の約10分の1、小型の太陽光発電で充電し、3日間・延べ24時間で875キロメートルを走破(太陽光発電による走行距離546キロ、同商用電源329キロの計)した実績等がある。「この世で一番のエコな(低炭素な)乗り物だ」と、チームとして胸を張る。5月22日、在日オーストリア大使館で行った表彰式では「モノづくり日本のこだわりを活かした成果」の言葉がマルティン・グラッツ商務参事官から添えられた。

 開発は、ガソリン車からの代替をイメージするのではなく、電気自動車の特長である「高エネルギー効率」を最大化させることに軸足を置いた。結果、「バイクでもクルマでもないエコな乗り物」を生み出せた。宮村さんはこのあたりの開発のプロセスを次のように話す。  「まず、(1)軽量化や空気抵抗の低減を追求します。その成果は(2)走行エネルギーの減少に通じ、その結果(3)高価なバッテリーを小さくすることができます」。―要は、この3つの効果を循環形で追求して結果につなげた。

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 超小型モビリティを開発したチーム「プロミネンス」は、実はサラリーマンの集団だ。宮村さん自身も某大手自動車に勤務する。メンバーの大半は長野高専ソーラーカー研究会のOB、宮村さん曰く、「ソーラーカーの魅力に取りつかれてしまった連中」だそうだ。  いまひとつ注目すべきは「特別な設備機械を使うことなく、誰でも製作可能な乗り物として完成させた」点だ。部品やパーツのいくつかはネットで購入。シャーシーは自転車の躯体の一部を利用し、繊維強化プラスチックのボディはネット通販で手に入れた。  弊紙で質問をぶつけた。「誰でも作れるというが、折角の成果を事業に活かす考えは無いのか」。宮村さんは「事業化に絡むオファーもありましたが…。しかし素人としてやってきたわけで…」と言葉を濁す。察するに事業化への意欲も無いではない(?)。