コラム

2016年6月10日号

 例年、5月から6月中旬にかけ各種工業会や協会の年次総会が続く。取材者として2、3日に一度位の頻度で参加し今年気づいたのは、いつになくマインドが強弱さまざま、まだら模様をしていることだ▼あるサプライヤーの団体では、モノづくりの国内回帰を実感する挨拶を聞いた。自動化など時流に乗る分野の工業会は「伸びが続く」と頼もしい。反面、景気腰折れへの懸念が業種によって強く滲む。平均像的にいえば、昨年後半あたりから実績で対前年5~10%ほど落ちている業種が多いが、あるところは「高水準はキープ」と表現し、他方は「後退局面と認めざるを得ない」とニュアンスが違う▼岐路と書くと大げさだろうが、この数年歩いてきた道が次第に違ってきて、今後どんな道を拓くか、それぞれ試される局面がきた感じだ。そんな矢先、「リーマンショック前に似た状況」という我が国トップの発言が波紋を呼んだ。本人はその後、言葉足らずだったと火消しに回ったものの、今度はこれが逆に、消費増税先送りという政治選択の妥当性に疑問をつけることになった▼あるシンクタンクはつい先頃、少子高齢化の進行による将来的な内需のシュリンクを試算し、あらためて危機感を示した。財政再建というミッションは、本来、少子化で需要が減る将来へ先送りできないとの認識だったのだが…▼景気対策優先というが、世界が日本をシビアにみている。嫌気されれば株や為替、債券が変動する。「まだら模様」の景気が次にどうなるか。一つの選択、ひとつの決意が重い。