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広がる運転支援装置、素材やセンサーも進化

人とくるま展から

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 横浜市で5月27日までの3日間開かれた国内最大級の自動車技術展「第25回人とくるまのテクノロジー展2016横浜」(自動車技術会主催)に、運転支援装置や安全性向上に役立つ部品などが紹介された。過去最多となる538社・1155小間の出展に8万7375人(速報)が訪れた。
 会場のあちこちで見られた小型カメラやレーダーによる運転支援装置はすでに一昨年あたりから市販車に搭載済み。自動運転はすぐそこといった感じだ。日産自動車や富士重工業はルームミラーの裏側や両脇に付けたステレオカメラによる運転支援システムを紹介した。富士重工業の最新装置は白黒認識の従来バージョンから4割広角・望遠化して、自動車のテールランプや歩行者をカラー認識する。「走る、止まるに加え新たに曲がる領域での支援もできるようになった」と言う。
 体験デモには行列ができ、特にヘッドアップディスプレイ(HUD)と最新安全技術を組み合わせた次世代コックピットが人気だった。三菱電機、デンソー、カルソニックカンセイなどが体験サービスを行った。HUDでは大型化や情報の3D表示などが目立ち、漫然運転や脇見運転を検知してドライバーに注意を促したり、昼夜全天候においてクルマの周囲360度の安全性を検知する技術などもみせた。
 トヨタ自動車は燃料電池車(FCV)のほか4代目ハイブリッド車「プリウス」に採用の直列4気筒エンジンを展示。エネルギー効率は世界一の40%とするが、18年前の初代プリウスですでに37%だったことを考えると、いかに改良が難しいかが窺い知れる。本田技研工業は今年3月に官庁、水素供給会社など向けに販売を始めた5人乗りFCV「クラリティ」を展示し、水素社会の到来を訴えた。2つの水素タンクの搭載により航続距離はトヨタ製FCVを100㌔上回る750㌔を誇る。一般向け販売は1年後になりそうという。
 素材絡みでは、東レがプレス成形用の熱硬化CFRP(炭素繊維強化プラスチック)に、独自の技術や工夫を加えた素材をシリーズで提案。このうち今年3月発売の素材は一定間隔で薄い切れ目を入れたことで成形時の素材のうねりを無くし、成形品位を高める。「切れ目を入れることは成形性を良くする反面、強度を下げることになるが、そのあたりのバランスを何年もかけて最適化した。成形の自由度が高まり、CFRP活用の領域が一気に広がりそう」と話していた。
 エリーパワーはその東レブース内で二輪車始動用のリチウムイオンバッテリーを展示。東レが製造する耐熱・薬品性をもつPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂でカバーし、安全・耐久性を加えた。このバッテリーは全日本モトクロス選手権に参戦するホンダ・レーシングの二輪車に搭載され、実戦を重ねている。エリーパワーは「こうした用途には定置用とは比較にならない環境性能が要求される。マイナス10℃でもスムーズに始動する」とし、今年度中の量産化を目指す。
 開発したばかりの技術も見られた。積水化学工業は厚みわずか0.3ミリの圧力センサーを出品(2018年から販売予定)。微小な圧力を電力消費なしに検知でき(圧力による変形で発電)、車のシートに設置すればドライバーの居眠りや疲労を検知できるという。岩崎電気は15ミリ角程度の小型ながら1500ルクスの照度(照射距離500ミリで)をもつLED照明を紹介。「カーメーカーから車の内部を撮影したい要望があって開発した。この大きさでこれだけの照度が出せる照明はまずない」と同社。年内に一部納め、来年発売したいとする。