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攻めの健康で強く生きたい/冒険家 三浦 雄一郎さん

プロスキーヤー・冒険家 三浦 雄一郎さん

 「世の中、バリアフリーが広がっていますが、僕はむしろバリアを増やしながら高齢化時代を過ごしています」  大きな力強い声でそう話すのは、昨年5月に80歳で3度目のエベレスト登頂を果たした三浦雄一郎さん。講演に訪れたこの日も片足1.7キロの靴を履き、外出するときはなるべく背中に20キロのリュックサックを背負って歩いているという。
 「健康法には2種類あります。1つは守る健康でバリアフリー的な考え方。もう1つは年をとっても何かやってみようという攻めの健康。この両方が必要だと思います」  三浦さん自身、骨折した際の車椅子生活を通してバリアフリーのありがたさを痛感した。でも「こんな暮らし方では人間の能力はどんどん退化する」と、今でも札幌のマンションでは降りるときは8階から階段を使うようにしているそう。「動ける人はマンションを運動場のように利用することもできる。高齢者になると階段は上りより下りの方が危険ですが、これを避けていると能力は退化するばかりです」。
 文明の利器を避けているわけではない。東京の自宅には燃料電池システムや電気自動車を導入した。「非常にエコで快適であるとともに世界最先端を走っているという気分がしていい。人間にはこうした先端機器やエネルギーが必要です。でもこれに頼りすぎずに僕は強く生きたい」。80を過ぎても攻めの姿勢を崩さないのは、102歳までスキーをしていた父親ゆずりのようだ。
 (6月12日、東京・丸の内で開かれたウィズガスCLUBシンポジウムから)