コラム

2016年7月25日号

 企業間の協業が進み、得意分野を補完しあって商品やシステムを開発するといったことが頻繁だ。それはいいことだが、記者として時に思わぬ失敗をしでかしてしまう▼例えばA社のシステムは、協業するB社からのOEM供給なのに、B社が黒子に徹する一方、A社もOEM供給であることを伏せる為、A社オリジナルとして捉えた記事にしてしまう、などがそう▼いや、ほんの一例かもしれない。業界の動き、企業行動の背景などがみえていないと、表面だけをさらってしまい、突っ込んで書いて認識不足を露呈するだけになりかねない▼つい先日、日中間を頻繁に往復して機械類の輸出入を行う、中国から日本に帰化した貿易商社経営者に会い、思わぬ指摘を受けた。「景気減速が言われる中国ですが自動化投資は盛んですね」と問うと、事情は全然違うと返してきた▼中国では、情報技術やロボットなど10分野に重点を置いた製造業の10年計画を国を挙げて推進中だが、この社長に言わせると、国策はいわば鶴の一声、国営企業らは情報化やロボット投資に走らざるを得ない状況で、要はまったく実需では無いという▼同調圧力が強く、政府の意向に沿った投資を企業として行うことは常識であり義務だとも。「補助金や助成策も日本を超える規模で行なわれていて、決して自然な需要でマーケットが育っているわけではありません」とこの社長▼さて、真実はどのへんにある? 木を見て森を見ずといった言葉があるが、大局的にいまひとつ見えにくい事象が、昨今は色々と増えてきた気がする。