News

明治機械製作所、スプレーガンを自動組立

岡山工場にロボ導入

8673

 明治機械製作所(廣田貢社長)は、塗装用ハンドスプレーガンの自動組立に着手した。対象は生産量の約9割を占める標準品41機種。熟練スタッフ4人による手作業からロボットに切り替えることで、さらなる品質の安定化を図るのが目的だ。
 岡山工場に導入した自動化システムは、▽多関節ロボット▽電動チャック▽1軸ロボット▽画像測定器―で構成。部品検査から組立、エア漏れチェックまで自動化した。
 板金塗装などに使われるハンドスプレーガンは、部品の締め付け部位に高い気密性が要求される製品。生産技術課長の犬養治氏によると、「手で組み立てて調整していた分、どうしてもスタッフの経験や技術によって多少の違いがあった」という。
 スプレーガンの本体は、握りの大きさや形状が異なる5種類。取付穴やビス穴のわずかなバラつき(±1ミリ)をカメラで検知し、補正データとしてガンを保持する多関節ロボットの動作に反映する。
 犬養氏が「一番苦労した」と話すのは、ネジ締めのトルクによって生まれる把握位置のズレだ。
 「ほんの小さな誤差が工程が進むごとに大きくなり、エラーの原因になっていた。トルクの調整、カメラ撮影のタイミングを見直すことで大分改善した。品質に影響を与えない範囲での『ブレありき』で幅広く対応できる設備づくりを進めていきたい」
 1丁が組みあがる時間は約3分。ベテランのスタッフでも「最速で5~10分はかかる」という。システムには1丁ごとの部品を載せた小型パレットが60台収納できるため、約3時間無人化できる計算だ。
 熟練スタッフは、近年需要が高まっている特殊仕様のハンドスプレーガンを担当。システム導入をきっかけに、工場のレイアウトを大幅に変更し、部品の調達倉庫と手作業による組立エリアを隣接させた。
 廣田社長は、今回のロボット導入が省人化を目的としたものではないことを強調する。
 「売上50億円達成に向けて掲げているのは海外の売上比率を8%から15%に引き上げること。そのためには、原価と不良品率の低下は外せない。自動化の構築は品質の安定化だけでなく、お客様や地域の方に『見に来てください』と言える工場に生まれる変わるための取り組みでもある」
 スプレーガンの自動組立は経済産業省の補助金(ロボット導入実証事業)を活用。同事業の2016年度予算枠でも、エアタンク(高さ最大3m×重量1~1.4トン)の塗装・搬送システムで採用された。
 このシステムは、スキーのリフトのようにタンクを最大6缶吊るして、多関節ロボットで1台ずつ全体塗装するというもの。アーム先端には同社が今春発売した静電スプレーガンを取り付ける予定だ。