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ヤマハ発動機、ロボット「自動化プラットフォーム」発表

コントローラ1台で、ライン全体を「統合制御」

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 ヤマハ発動機は10月17日、都内で記者発表を行い、1台のコントローラで最大64台のロボットを同期制御できる独自の「統合制御型ロボットシステム」を、今年12月1日に発売すると伝えた。
 ロボットシステムの名称は「アドバンスト・ロボティクス・オートメーション・プラットフォーム(Advanced Robotics Automation Platform)」。ロボットと周辺機器を同期制御・協調制御できる新開発の統合コントローラ(YHXシリーズ)を軸にした構成。これまではロボットごとにコントローラを設置する必要があったが、統合コントローラにより、現状、ますます高度化する自動化生産ラインが「低コストかつ短期間で構築できる」という。同社では自動化ラインの設計の簡素化をはじめ、コスト削減、スペース効率の向上などで「飛躍的な効果が発揮できる」とみている。

■91機種を一挙発売
 この統合コントローラを発売する12月1日には、新ロボットシステムに対応する多数の新製品を一挙に発売する。フルモデルチェンジするスカラロボット(YKXシリーズ)、リニアコンベアモジュールの新製品(LCM︱X)、単軸ロボットの新シリーズ(GX及びYLEシリーズ)、画像処理機能一体型のロボットカメラ(YFAEYE)がそうで、全部で91機種・202品目にもなる。
 同社はロボット事業を成長戦略のキー事業に上げていた。今回の新製品について同社広報は「当社の成長戦略として重要な位置づけを担うもの」とする。新ロボットシステムにより「多彩なロボット製品をラインアップする当社の強みをさらに活かせる」(同)とも伝えた。
 これにより同社は、ロボット事業の売上高を2020年までに倍の200億円とする計画。特に同社が得意としている車載用小型部品や電子・電機部品向けに短納期・低コストのロボット提案を行い、シェアの拡大をはかる。
 多数の新商品はいずれも価格がオープン設定。だが、リニアコンベアモジュールやロボットカメラなどを中心に実勢価格を抑えることになりそうだ。
 新製品のうち中核となる統合コントローラ「YHXシリーズ」は、ホストコントローラ、ドライバユニット、大容量パワーユニット、ゲートウェイユニットで構成する。圧倒的な省配線化が可能で、自動化ラインのセットアップ工数及び設備コストを大幅に削減。システムインテグレータ(SI)が慢性的に不足しているが、SIの手間を省くことで、作業コストを削減する。
 リニアコンベアモジュール「LCM−X」は、従来品よりも工程間搬送速度を大幅に高めた。搬送精度は2倍以上、加減速性能は2・5倍という。これにより位置決めをスピーディーに行え、製造工程でのリードタイム短縮を実現できる。
 スカラロボット「YKXシリーズ」は、アーム長の異なる計8モデルをリリースする。従来から耐久性に優れメンテナンスの頻度が少なくて済むとユーザーから評価されてきた特長を継承しつつ、剛性を高め、高速動作を実現した。
 単軸ロボットの新製品は、ACサーボモータ仕様の「GXシリーズ」とステッピングモータ仕様「YLEシリーズ」からなる。前者は、従来オプション仕様だった独自の高精度研削ボールねじを全品種に標準採用する。
 ロボットカメラ「YFAEYE(ワイ)」は、自動化生産ラインでワークの判別や認識などに使用される画像処理機能を一体化したカメラ。ロボットカメラ事業では後発だが、価格面の優位性を打ち出す考え。当面はFA市場でシェアを拡大しつつ、将来的には物流、医療、食品業界への本格販売も視野に入れていくという。