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ダイヘン、銅合金粉末を積層造形

大阪産技研と技術確立

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 ダイヘン(大阪市淀川区)は、金属3Dプリンタによる銅合金の積層造形技術を確立した。大阪府立産業技術総合研究所と共同開発した特許技術として、ライセンス提供や造形試作品の要望に対応する。
 銅合金は、優れた導電性と熱伝導性を持ちながら、チタンやインコネルなどに比べてレーザの反射率が高く、3Dプリンタによる積層造形は困難とされていた。今回確立した技術の特長は、汎用の金属3Dプリンタで造形を可能にしたこと。実証試験ではダイヘンが2014年に導入したレーザ溶解方式の出力400W機(コンセプトレーザー社製)を使用した。
 ロボット技術開発部長の坪田龍介氏は、造形時の重要なファクターとして、レーザ出力のほか、ビーム径、ピッチ、1層あたりの厚みなどを挙げた。純銅では、造形後の引っ張り強度、密度ともに低かったことから、原料に銅合金を選択。粉末の粒度(30マイクロメートル)、粒度分布、添加物などを研究した結果、「密度99.9%の緻密なものができた」という。
 用途に応じて、造形物の特性を任意に変更可能。「導電率を重視する場合は導電率を純銅の最大90%まで、機械強度を重視する場合は引っ張り強さを純銅の最大3倍まで高められる」ことから、航空宇宙、自動車、医療分野などからの需要を見込んでいる。
 ダイヘンでは、すでにアーク溶接システムに使用する高電流用水冷トーチなどに使用。坪田氏は「銅合金の粉末で積層造形する技術は世界で初めて。銅の粉末自体がなく、造形実績も示されていなかった。焼き方などのノウハウを提供するだけでなく、造形試作品の要望も積極的に受け入れていきたい」と話していた。

(写真=積層造形でつくった水冷トーチ。高冷却機能と小型・軽量化を実現した)