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ヤマザキマザック、薄板に使える積層造形

マルチレーザーで熱影響少なく

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 ヤマザキマザック(愛知県大口町)は、熱影響の少ない「マルチレーザー式金属積層技術」を実用化した。切削加工と金属積層造形技術を融合したハイブリッド複合加工機「INTEGREX ⅰシリーズAM」として6機種をラインアップし、JIMTOFでの初披露を皮切りに市場投入する。
 新技術は、複数のダイレクトダイオードレーザーをヘッド先端から照射し、中心部から噴出される金属粉末を効率よく溶融して積層するというもの。内閣府主導の国家プロジェクト「戦略的イノベーション創造プログラム」に参画する大阪大学(接合科学研究所)塚本雅裕准教授の研究チームが開発した。従来技術に比べ、加工点への安定した粉末供給が可能なうえ、母材への熱影響を低減できるという。
 岡田聡技術本部長によると、「加工ヘッドを傾斜させて5軸AM(Additive Manufacturing)加工を行う場合、重力や風圧で粉末が効率よく供給されず、造形部が不均一になったり、未溶融粉末が原因で製造コストが増加したりしていた」という。
 従来技術の約半分の出力で精密造形などが可能。厚さ0.15ミリメートルの薄板に対しても反りがなく「微細な積層コーティングができる」とした。航空機部品の強度や耐久性を向上させるコーティング加工、金型、タービンブレードの部品補修や微細造形などの需要を見込んでいる。
 実用化にあたって、ガントリー駆動式のAM加工ヘッドを開発した。機械本体のミーリング主軸と独立して駆動させることで広い加工領域を確保。切削時は、ヘッドを加工エリア外に退避させ、粉塵やコンタミによるレーザー装置への影響を極力排除した。
 岡田技術本部長は「INTEGREX ⅰシリーズ以外の機種にもAM加工ヘッドを搭載できる。270機種ある切削型工作機械すべてが対象。積層にかかる時間が『まだまだ長い』のは事実だが、材料準備を含めたプロセスリードを短縮できる工程集約の提案として力を入れていきたい」と話していた。