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オークマ、AIで送り軸の不具合を診断

GEデジタルとIoTで協業

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 オークマ(花木義麿社長)は11月22日まで6日間、東京ビックサイトで開催されたJIMTOF2016会場で、工作機械のAI診断技術「OSP-AI」を開発したと発表した。
 オークマの持つ機械基礎特性への知見とディープラーニングによるAI技術を融合させ、ベテラン保全員でも不具合判断が難しい送り軸の状態を高確度で自己診断する技術だ。演算速度を従来比1.4倍に向上した新CNC装置「OSP-P300A」に搭載する。来年3~4月ごろ発売の新製品から搭載を開始する予定。
 ボールねじ、支持軸受等の不具合の有無や異常部位をAIで診断できる。診断動作はOSP画面から誰でも簡単に実行でき、診断用の計測装置も必要としない。正常状態と異常状態の診断結果をランプの色で表示し、診断の確度をランプの大きさで分かりやすく表示する。
 工作機械のCNC装置にAIを搭載したのがポイント。技術本部長の家城淳常務は開発の意図について「インターネットに接続しなくても誰でも簡単に故障を予知でき、機械のダウンタイムを最小にできる。これまでの知能化技術と同様、熟練技術者がコア業務により集中し、生産性向上を導く環境づくりをサポートできる」と話す。
 スマートファクトリーと機械の進化の方向にも触れた。「工作機械1台1台が知能化技術やAIで賢くなれば、クラウドや中間のフォグ層に膨大なデータを入れて解析する負担が減る。工場内外の高度な連携を求めるインダストリー4・0の世界では、マシンそのものが賢くならなければ上手くつながらないだろう」(家城常務)。

■DS1発の簡単セットプラン
 自社工場DS1で実証を進めてきたスマートファクトリーのソリューションも商品化して発表した。CNC装置「OSP suite」と接続して機械の稼働状況を見える化できる新開発の工場稼働モニタ、同モニタと連携しながら作業計画の作成や進捗・納期管理ができるソフトなどの簡単セットアッププランを開発。「見える化、分析、指示、実行のスパイラルアップを促進し、工場のスループットを向上する」(オークマ)という。外部からの不正なアクセスを遮断するセキュリティ機器、旧機種のIO信号を通信プロトコルに変換して接続できる機器なども用意した。米国FA業界標準の通信プロトコル「MTコネクト」アダプタの標準搭載も開始する。
 また、工場内のあらゆる設備をネットでつなぐオープンプラットフォームの関連では、JIMTOF開幕直前に発表したGEデジタルとの協業に注目が集まった。会場では、GEデジタルの産業用IoTプラットフォーム「PREDIX」を用いて、オークマ本社(愛知県)とオークマ・アメリカ(NC州シャーロット)、JIMTOF会場の世界3拠点の工作機械の稼働状況をモニタで表示。花木義麿社長は「オークマ製品でPREDIXを起動すれば特別なハードウェアを必要とせず、簡単にネットワークにつながり、インダストリアル・インターネットを使ったデータ共有や分析に活かせる」という。
 今後、PREDIXに対応した工作機械を米国中心に投入する計画。家城常務は「米国ではGEデジタル、日本国内ではファナック等の開発したフィールドなどと連携し、オープンプラットフォーム化の流れに対応していきたい」とした。