オヤジの喜怒哀愁

2017年2月10日号

介護の時代

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 子育てが終わらないうちに親の介護の問題が浮上してきた。誰もが通る道とはいえ、これからのことを考えると暗澹たる気持ちになることがある。
 父親の認知症に家族が気づいたのは10年ほど前のことだ。無敵を誇った正月の家族麻雀で父親が勝たなくなった。点数を数えるのを間違えるようになった。そうこうするうちにお金の管理がまるでできていないことが発覚し、これはいかん、ということになってきたのだった。
 まだ自分で食事をとれるし、家の中の手すり付きの階段をなんとか自力で上がることもできる。認知症のほかにはこれといった病気もない。要介護度は2である。しかし、認知症は確実に進行し、最近はいま言ったことをまるで覚えていないし、気になっていることを何度でも繰り返し聞いてくる。下の世話も大変になってきた。
 介護問題が急浮上した一番の問題は、これまで父親の介護を一手に引き受けてきた母親がその疲れもあって体調を崩し病院に入院したことである。母親の入院中は緊急避難的に父親をショートステイに預けることになったものの、母親が退院した後、これまでと同じように父親の面倒を見るのは難しいだろう。
 この期に及んで初めてケアマネージャーと面談の機会をもった。介護サービスにはいろいろある。家に訪問して医療面をサポートしてくれる訪問看護、同様に入浴や部屋の掃除をサポートしてくれる訪問ヘルパー、日中預かってくれるデイサービスなどだ。
 ケアマネはこうした関係機関や主治医と連絡を取り合って調整し、一方では介護保険の限度額をにらみつつ、家庭の経済状況、社会的状況を踏まえてその月々の介護計画を立ててくれる。どうしていいのかわからず右往左往する家族にとって誠にありがたく頼れる存在なのである。
 ケアマネ氏は、やはりこれまで通り母親が父親の面倒を見るのは無理だろう、そろそろ入所を考えてもいい時期では、と言って入所可能な施設をひとつ紹介してくれた。しかし、要介護度2では介護保険の制度上、特老への入所は認められず、費用負担はそれなりに重い。
 家族で相談した結果、当面は介護保険の限度額いっぱい、あるいは多少の実費負担を覚悟してデイサービスとショートステイの回数をこれまでより増やしてみることにした。しかし、老老介護は限界にきている。介護の担い手交代は待ったなしの状況にある。