連載

2017年2月25日号

日本の次代技術、世界に発信

ドイツの見本市「CeBIT(セビット)」(今年3月)に注目

 「セビットで何がしかを発表をする」、「セビットで次代の技術成果をアウトプットする」…。
 今年、各産業界の新年会で経済産業省の来賓者は、世耕大臣、糟谷製造産業局長以下、示し合わせたように「セビットで」を挨拶のキーワードにしていた。
 セビット(CeBIT2017)とは、今年3月20日から5日間ドイツ・ハノーバーで開催されるIT関連の世界最大級の見本市。今回日本は、パートナーカントリーとして参加し、安倍首相のスピーチも予定する。大企業、中小、ベンチャーと日本国内の精鋭企業多数が、先端技術を見せつける。
 ドイツメッセの日本におけるパートナー、日本能率協会は先ごろセビット記者会見を開き、「国力を示すことにワクワクしている。ジャパン・アズ・No1を強力に印象づけたい」(吉田正理事長)として、セビットの概要を伝えた。
 トップテーマは「デジタルトランスフォーメーションの無限のチャンスを追う」。人工知能、バーチャルリアリティ、IoT、ビッグデータなどの技術や製品・システムが世界から集う。日本は118社(一部団体)からなる7200平方㍍の「ジャパン・パビリオン」を設置し、政府が描く未来の社会像「ソサイエティ5・0」を実現する技術を盛る。その内容は、製造現場向け、生活や暮らし向けをはじめ、働き方、医療、福祉、ゲーム、スポーツと様々な分野に向けたものとなる。
 展示会という一過性的な催しを超え、日独を軸に中小企業らのビジネスマッチングも濃密に進める構えだ。ジャパン・パビリオンを運営するジェトロの眞銅竜日郎理事は「既に日独、中小企業の連携は近年、大いに進んでおり、双方向のやりとりは着目すべきものになっている。これをさらに深めたい。日本もドイツも、世界とのつながりを活かして産業を発展させてきた」と語る。次代技術に向けた日独のコラボという点で、両政府から大きな発表があるかもしれない。

■世界目指す中小の技術、アイデア
 ジャパン・パビリオンで展示する国内中小企業の「とんがった」出品内容も見ておきたい。
 京都に本社を置くスプレッド社は、最先端というサイバー農業(植物工場)を紹介する。2万1000株のレタスの安定生産などで実績があり、今年竣工予定の大規模な新植物工場では日産3万株を目指す。専用のLED照明などを駆使するかたわら、IoTで植物の実際の成長と、生育条件を様々分析し、常にベターなサイバー農業へと成長し続けている点がミソだ。目標は「全世界にサイバー農業を広げること」と言う。
 ソフトウェア業界の急成長企業ソースネクストは、留守電メッセージを文字化してメール等で知らせる昨年発売のスマートフォン向けアプリiGotchaの多言語版を出品する。英語、フランス語、スペイン語などと使用言語の多いヨーロッパの市場を「だからこそ、よけいに挑戦しがいがある」といい、「今後は、イタリア語の留守電メッセージをドイツ語に翻訳して自動転送するといった異言語変換サービスも考えたい」とのコメント。
 情報の5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)を、中小製造業に安価で提案します―と話すのは都内中央区にあるアルファTKG社。「1万枚まとめての注文もある」という2次元図を3Dデータに変換するサービス(=写真②)は、「一枚ワンコイン100円」からの事業。可動する3D図でデジタル干渉チェックなどもなんなく行える。国内に続きタイなどアジアで実績を作っており、次はヨーロッパという流れだ。同社はクラウドを利用し、顧客社内にある膨大なデジタル情報・文字情報を瞬時に検索するシステムや、技術ノウハウの社有化などさまざまなメニューを用意し、欧州を目指す。

(写真=ほんの10分程度で2次元図を3D図面に変換するサービスも(アルファTKG)