コラム

2020年2月10日号

 新型肺炎コロナウイルスの猛威が、2次感染、3次感染の症例が出てくるなか世界の人々を震わせている▼自国ファースト・自分ファーストに傾斜し、他との共感力を失いつつある世の中で、ウイルスに対する恐怖に限れば、世界万人が同時共有する状況ともなっている▼ところが、反応が過ぎてバイアス(偏り)が暴走しだ...

2020年1月25日号

 本紙発行の1月25日は日本で最低温度を記録した日だ。明治35年のこの日、旭川市でマイナス41度を観測した▼零下10度を下回ると、寒いを通り越し、防寒着をまとってもカラダに刺すような痛みを感じるそうだが、この日、市民はどう大寒波をやり過ごしたのだろう▼かたや今年は記録的な暖冬だ。このほど気象庁...

2020年1月1日号

 謹賀新年。お正月おめでとうと挨拶しつつ、実感は年々薄れている。保守的な田舎町育ちの小生にとって昔の正月は特別なものだったが…▼実家では12月半ばから普段と変わり、煮しめなど正月料理の匂いが台所から流れた。鏡餅を米屋が届け、床屋に行かされ、大掃除を手伝った。門松の据付けは父の役だ▼一連の行事の...

2019年12月10日号

 はや師走。流行語大賞や、漢字1文字で世相を表す「今年の漢字」など、言葉で一年を振り返ったり、時代を表現するイベントが年末の風物詩的に今年も巡っている▼一方、ビジネス社会で時代感を表す言葉を見ていくと、最近はずいぶん横文字が増えたなあ、との印象だ▼例えば自動車産業でMaaSやCASE。国際社会...

2019年11月25日号

 散髪した後、スーパーで食料を購入。隣接するクリーニング屋と薬局に寄り、LED電球を買いに家電ショップへ行った。ごく普通の、何事もない休日の午後。しかし小生、レジに行く都度「持っていません」、「イヤいいです」と繰り返す羽目になり、少々辟易とする▼持ってないのはポイントカードやサービス券の類。お...

2019年11月10日号

 社内の打ち上げ。アルコールは進むが、右の皿も左の器にも、つまみの最後のひと切れが残り、社員で囲むテーブルは渋滞し追加の肴を置けない。「これ取り皿にとっちゃってよ」と誰かが言うはめになる▼この残ったアテの一片を関西では「遠慮のカタマリ」と上手く表現するが、同じ光景は日本中にありそうだ。日本特有...

2019年10月25日号

 今年のノーベル化学賞に、リチウムイオン電池開発に貢献した日米3人の科学者が選ばれた。一人が旭化成名誉フェローで名城大学教授の吉野彰氏。長年の研究を通じ、炭素繊維材を電池の負極側に使うことで課題を解決できると突き止め、リチウム電池の構成要素を技術的に確立した▼ニコニコと朗らかな紳士。受賞会見で...

2019年10月10日号

 市場のムードや勢いのほどを「地合い」という言葉で表現することがある。地合いの良し悪しを見て投資すべきなどと、主に株式市場で使われてきた▼これを今の民間設備投資に当てはめると、さしずめ「軟弱な地合い」と表現されそうだ。国際貿易摩擦をはじめ、半導体関連のダウントレンドなど足下から先行きまで不透明...

2019年9月25日号

 恩師である高校時代のラグビー部監督に数十年ぶりで会って、開口一番「いま、小学生をコーチしています」と伝えると、昔から言葉少なだった監督は「そりゃ恩返しせんとな」と、まずひと言だけ返してきた。再び月日が流れたが、この短い言葉が記憶に残る▼田舎の高校の初心者だらけのチーム。筋骨隆々のラガーもいた...

2019年9月10日号

 実態を急に理解し得た時に、理解のキッカケとなった要因を指し、目からウロコなどと言うが、筆者がモノづくり業界を取材し続けたなかで最大の「目からウロコ」は、もう20年以上前か、ある講演会で聞いた「後発優位性」なる言葉だった気がする▼当時からモノづくりの大方が設備産業化する一方、機械等の設備はどん...