コラム

2017年12月10日号

 やっぱりというべきか、今年の流行語大賞の一つに「忖度(そんたく)」が選ばれた。「モリカケ」を巡る許認可問題に関し、安倍首相の意向を側近らが「忖度し」、不当に関与したとの推測が出て、この言葉が表立つようになった▼忖度とは本来、他人の気持ちを推しはかるという、いい意味で使われてきたわけだが、今回...

2017年11月25日号

 冷房が要らなくなったと思ったら急に寒くなり、もう全国的にコートが手放せなくなってきた。忘年会の誘いがチラチラ舞い込み、はや師走へ。「一年経つのも早いですね」の会話が、全国でうん千万回と繰り返されていそうだ▼時間とは不思議なもので、例えば2歳の子にとって1年は人生の半分にあたり長く感じるが、5...

2017年11月10日号

 私といったりオレといったり、日本語の「I」は変化しますね―。行きつけの飲み屋のカウンターで、都内の保育園で園児に英語を教える米国青年が苦笑しながら話しかけてきた。目下日本語勉強中だ▼いや日本語のIはもっとある。僕、わたくし、わし、われ、おい、おいら、うち、あたい…それから拙者とか小生とか…。...

2017年10月25日号

 目下、戦後2番目に長い景気拡大期にあるというが、目先にも好材料が目立つ。日経平均株価は歴代最長の連騰を記録。モノづくりでは工作機械が月間受注額で9月に史上最高を打ち立てた。製造業系の展示会なども活況が続き、およそ来場者数が伸びている▼このように、世の中なんだか凄いことになっている。一時、支持...

2017年10月10日号

 本紙発行日の10月10日はかつて体育の日だった。ハッピーマンデー法によって10月第2週月曜日を「体育の日の祝日」にすると代えたのが2000年だから、10月10日といっても今の大学、高校生以降などピンとこないはず。けれど昭和世代にとってこの日の祝日は特別だった気がする▼小学校などは10月10日...

2017年9月30日号

 第4次産業革命へ。クルマはEVシフトへ…。次世代をいち早く先鋭的・戦略的にたぐり寄せるヨーロッパ発の情報が気になる。けれど現地を訪れると、時間は案外ゆったり、のんびりと流れていて、また違った印象が加わる。金属加工見本市EMOショー(独ハノーバー)の出張取材でそう率直に感じた▼ドイツの列車は、...

2017年9月10日号

 重厚に沸き上がった夏の雲が徐々に勢いを失い、柔らかいフルートの音色で刻んだような鰯雲が空の一部に混じる。ちょうど今の季節だ。これを「ゆきあいの空」と呼ぶことを最近知った▼ガラになく美しい言葉と思う。「行き会い」と漢字を混ぜて使うこともあるが、この場合は「ゆきあい」の方が、美しく少し哀しい響き...

2017年8月25日号

 群盲象を撫でる―。内省も含め、この言葉の意味を考えさせられることは多い。もとは仏教経典に由来するそうで、凡人が仏の真理を悟るのは難しいことを表現する際に出てくる言葉だとか。けれど日常においても「木を見て森を見ず」に似た意味合いで、今でも割と使われている▼盲人が象を撫で巨大なホースだ、いや電柱...

2017年7月25日号

 記録的短時間大雨情報とは―。数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨を観測するか雨量解析した際にのみ、各地の気象台が発表する情報だそう。だからこの言葉をよく知る人が少ないのも当然なのだが、今年は九州、京都、愛知、新潟、北海道…と全国各地で連日のようにこの大雨情報で警戒を呼びかけることに...

2017年7月10日号

 真夏の夜の怪奇譚というわけでもないが、ある日の夜更け、本やTVで話題を呼ぶ「黒魔術」なる言葉に思いを巡らし寝付けなくなった▼ここでいう「黒魔術」とは、学習能力を持つAI(人工知能)が、想像以上にレベルアップしだした現象を指す。勝率は低いと見込んでいたはずが将棋で名人を負かす。あるいはある種の...

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