コラム

2014年11月10日号

 読書の秋、食欲の秋。前者はともかく後者の言葉には甘苦い思いがする。クールビズを終えシャツの第一ボタンを締めると首回りに圧迫感。衣替えのズボンは敵意をもったようにポッコリの腹を締め付ける▼やれやれ、ここで食欲の秋などと能天気にはなれない。新陳代謝が落ち、痩せ難くなったと同時に、太るほうは優先道...

2014年10月25日号

 今さらではあるがマザーマシンとは言い得て妙な言葉だと思う。機械を産み出す母なるマシンとの意味合い。トンビがタカを産まないように、優れた機械技術は優れたマザーマシン=工作機械無くして世に出ることはなかった。歴史をみても、機械工業が発達した国なり地域には、必ず背に工作機械産業があった▼そのマザー...

2014年10月10日号

 民度—という言葉を取材先の雑談時や、飲み屋のカウンターと公私を問わず何度か連続して聞いた。意味は感じ取っているが、日常そんなに使う言葉じゃないと思っていたから、「みんど」の響きは妙に耳へ残る▼辞書を引くと民度とは、ある地域に住む人々の生活水準や文化水準の程度、とある。ネット検索ではヒット数が...

2014年9月25日号

 これは何の絵でしょう—。何気なくテレビをつけたらクイズをやっていた。子供向けだが、大人の鑑賞にも耐えられた。おおよそこうだ。画面にはまず、汗して走るウサギのイラストが映る。少し間を置き、カメラが引いて視界を広げると、このウサギを追うキツネの姿が出てきた。ウサギ危うしというわけか▼カメラはまた...

2014年9月10日号

 う〜ん、どうアピールするか。いま連日の会議で激論を戦わせているけど難しいね…。モノづくりを縁の下で支える工作機械の一大展示会、JIMTOFの10月末開催を控え、メーカーのイベント担当者が多少疲れた表情で漏らす▼一部では新テーマ不在とされるのが今JIMTOF。展示が増える5軸機や複合加工機にし...

2014年8月25日号

 戦後69年—。筆者の亡き母は長崎で被爆した。爆心地からそう遠くなかったが、幸い丘の影に家があり、家にいた母は原爆の熱射を浴びず外傷も無く、晩年、因果不明の奇病に悩まされたが、それまでは普通に生きた▼その母が一度、原爆に触れて語った。長崎は坂の多い町だ。当時12、13歳の女学生だった母は坂道を...

2014年8月10日号

 朝のテレビニュース、リモコンでチャンネルを次々変えながら、時にタメ息が出る。こっちもあっちもまるでバラエティ仕立て。聡明そうだが薄っぺらい笑顔のキャスターに抵抗を覚えるのは、筆者が年を食ってしまったせいか? それにしてもいつのまにか朝のニュースは、似たり寄ったりの軽いスタイルになった▼ベルト...

2014年7月25日号

 親しく酒を交わしているうち知人が渋顔で言った。マニュアル社員が多過ぎる。仕事でももっと自分を出して欲しいんだが…。そこへ注文を取りに来た店員が手元をピッピッと叩きながら丁寧に「ご注文を繰り返させていただきます」。冷酒のお替りと新香だと伝えたじゃないか、知人は少々不機嫌だ。注文はたった二つ、わ...

2014年7月10日号

 MT(製造技術)とIT(情報技術)の融合は、近年のモノづくり業界が上位に掲げてきたテーマであるが、ブームを呼ぶ3Dプリンターが思いがけず、この融合のテーマを推し進めるのではないか▼スキャニングや3次元データのモデリングを通じ、3Dプリンターを動かすのがITサイドの役割ならば、3Dプリンターで...

2014年6月25日号

 技能コンクールの常連校と知られる都内某工業高校へ交換留学でやってきた韓国の生徒が、実習室に並ぶ非NCの古い汎用工作機を唖然として見渡し「こんな時代遅れの教材(機械)はナンセンス」と訴えたそうだ。母国ではコンピュータによる先端の設計・製造を学んでいた。古株の日本人教員は「人の技術こそが最後には...