コラム

2019年4月10日号

 春。新社会人をオフィス街で見かける。新着のスーツや立ち振る舞いから、ひと目でそうと分かるのが不思議だが、溌剌とした彼らは、ベテラン社員のモチベーションも押し上げてくれそうだ▼特に今年は、新元号が決まり、春の訪れとともに心機一転、良いムードをもたらしている。この機会に「新しい時代の計」を考えた...

2019年3月25日号

 国連の関連団体が実施した今年の世界幸福度ランキングで日本は前年から4つ下げた過去最低の58位だった。ひとつ下の59位に、殺人率で日本の約200倍、外務省が「不要不急の渡航は止めて」と指導するホンジュラスの名があり、少し驚いた▼世界の中で相対的に平和で安全な日本が、殺人率・犯罪率でワースト級の...

2019年3月10日号

 襖をさっと閉めたら、そこに息子の小さな指があった。あっと思う間もなく火のついたような泣き声。医者に駆け込んだ▼骨に異常は無かったが、包帯の下の4歳児の2本の指は、大人の指ほどに黒く腫れ上がった▼20年程前の出来事だが、その日の失態は後日談とともに重い記憶として残る。2、3日して夜、自宅に電話...

2019年2月25日号

 瀬戸内海に面したF市を取材で回った。モノづくりが盛んで、日本を代表する大手鉄鋼の大規模事業所から、工作機械、産業機械、食品機械、工業用ゴム、自動車部品関係、繊維・衣料系等々の工場が林立する▼いわゆるニッチトップの会社が多く、取材先の四方山話では、著名な企業を上げ「○○社の商品は、実はこの町の...

2019年2月10日号

 先日、ロボット関係の全国団体トップとゆっくり話をする機会を得た。そこで話題に上がったのが時代のテーマに沿う人材育成の在り方▼今や多くの製造業にITや3Dデータに通じる人材が欠かせず、その方面の教育が大事というわけだが、このトップいわく「しかし今の教育は、まったく現場に降りていない」。声のトー...

2019年1月25日号

 スタッフで手分けし産業界の新年賀詞交歓会を30~40会場ほど回った。挨拶で多く使われたキーワードのトップは「潮目の変化」か。景況感を語るなかで「まだら模様」や「不透明」といった言葉もよく耳にした▼先行き懸念感の広がりを表す発言だが、考えてみれば、低成長ながら国内経済はずっと右肩上がり。この1...

2019年1月1日号

 世話になったパートナー企業の先輩は、仕事中に訪ねると、いつも「まあ座って」と気さくに応じてくれた。事前のアポが無くても、忙しくても「コーヒーでも飲もうや」とゆったり構えてみせ、親しみやすかった▼そういう、できた大人が以前は大勢いた。まあそんな調子だから、仕事ははかどらず、毎日の帰宅時間は遅く...

2018年12月10日号

 工作機械受注額は1.8兆円へ、産業用ロボット生産額は1兆円台へ。はや今年を振り返ると、納期問題や、中国景気減速の影響に揺さぶられつつも、生産財市場は全体として好調だった▼しかし、こうした活況が一般に知れ渡っているかというと、そうでもない。つい先日、文系の学生を前に生産財等について話す機会を得...

2018年11月25日号

 人命は地球より重い―。確か青少年の頃、耳にした言葉だ。誰がいつ言ったか忘れていたが、調べると、そう、ダッカでの日航機ハイジャック事件(1977年)で、時の福田赳夫首相が人質を救うため、テロリストの要求を飲まざるを得ないと決断した際に口にしたのだった▼この発言に対し当時から賛否両論あり、負の教...

2018年11月10日号

 深夜。都心の神社。露店がぎっしり並び、その回りを一部囲むようにビル3階ほどの高さに積み上げられた無数の提灯が煌々としている。思わず誘われた▼関東で馴染みの「酉(とり)の市」だ。歩きにくいほどの混みよう。商売繁盛を願って縁起物の熊手を買い求める人や、急ごしらえの客座敷に上がりこみ宴会に興じる若...