コラム

2017年1月25日号

 産業界の新年会を、ならすと2日に一度程のペースで回った。代表者らの挨拶でほぼ必ず出た言葉は予想通りと言うか、IoTとトランプ氏▼もっとも、後者は何をどう考えているかいまだ不可解なため、コメントは少なかったが、IoTへの対応は業種を問わず、課題でありビジネス機会だと一様に重く捉えられていた▼筆...

2017年1月1日号

 紙面づくりをしていて言い古された言葉は使いたくないと思うが、正面から向き合って考え続けるべき言葉というのもある。社会でも産業界でもずっとテーマに上がる「安心・安全」がその一つだ▼いや、「安心・安全」は長年の社会テーマのみならず、過去から常に、生きとし生けるものすべてが必死にこれを求めてきた。...

2016年12月10日号

 はや師走。流行語大賞や今年の十大ニュースなど、一年を振り返ってまとめをするような時期に入った。けれど今年の国際的な出来事は、とりまとめどころか納得と理解の行き届きにくい、複雑な人の心のアヤをみるようなものが多かったと思う▼象徴したのが選挙だ。EU離脱をめぐるイギリスの国民投票も、米国の次期大...

2016年11月25日号

 喫煙者のたわ言だと大多数から相手にされそうにないから、こんな話は最初で最後にするが、「絶滅歓迎種」的な扱いを受ける愛煙家の立場からひと言▼今や都会のオフィス街ともなると喫煙場所がまったくない。いや探せばあるが、案内図を掲げるとスモーカーが殺到し紫煙まみれになるからか、ひっそりビルの脇に隠され...

2016年11月10日号

 もう20年近く前のこと、取材ノートも残っておらず、記憶が一部不確かだが、ある経済講演会で、当時の産業界の重鎮だった某氏が工作機械業界について面白いことを言った▼およそいわく「工作機械産業は目抜き通りから横に折れた路地の奥に立つ、御殿のようだ」と。この産業人は重工業企業の元経営者。会社で、大型...

2016年10月25日号

 中学の時、I君という優等生がいた。長身で色白の痩せぎす。正義感があったが口の悪い理屈家。九州の片田舎なのに、恐ろしく古風な標準語を使って誰彼となく批判する▼当然「生意気」となるが、怒って顔が赤くなると奇怪な腕力を発揮するため、周囲のヤンチャは手を出さない▼ある時、家に行くと「I君、くじらにな...

2016年10月10日号

 モノづくりの将来を拓く取り組みとして、ITと製造技術の融合を昔から追ってきたつもりだが、IoT時代を迎え、両者のつながりは猛スピードで深まっている▼日本能率協会コンサルティングが今夏実施したIoT取組み実態に関するウェブ調査では、IoT(IT)を活用し現場の実態把握や生産システムの全体最適に...

2016年9月25日号

 過ごしやすくなり「スポーツの秋」到来といった感じのこの頃だが、その前に今年は、盛り上がった「スポーツの夏」をもう一度振り返ってみたくなる。リオ五輪での日本選手の活躍、夏の終わりを飾った神がかりカープのセリーグ独走優勝。熱いシーンがこっちにあっちに▼けれど、選手のインタビューを見るたび、瞬間、...

2016年9月10日号

 クラシック音楽の評論で活躍された故・吉田秀和氏はかつて「演奏を評するとは、その背後にどんな人間が、どんな人格が、控えているかを問うところに帰着する」と書いている(レコード芸術93年9月号・音楽之友社)。氏は「うまい」とか「へた」とかいう評はつまらないといい、「演奏は思想と人柄の反映だ」と、あ...

2016年8月25日号

 ケアレスや意味の取り違え。新聞制作の現場では正直、ミスがたびたび起きる。校正で直すが、記事にする固有名詞やエピソードの類は、取材者当人を除き周囲に不明であることが多く、正すのは難しい。かくて発行後にミスが明るみになり、頭を抱えてしまうことがある▼当然のように、責任は書いた記者個人に向けられが...