オヤジの喜怒哀愁

2019年2月10日号

薪の火力

 以前、借りて住んでいた家は山を背負っていて、よく木を切った。強風の後は倒木があったし、適当に枝を払わないとすぐに家が山に埋もれてしまうため仕方なく切っていたのだが、家にはかまどがあって気が向くと薪で飯を炊いた。
 木をかまどの奥行きに合わせて30センチぐらいの長さにチェーンソーで...

2019年1月25日号

人間民芸国宝

 間口三間の古民家の屋根は傾き、瓦が一部崩れ落ちている。戸口の上に「花籠」と屋号が掲げられている。私はここに竹カゴを注文しに来た。
 直径30センチあまり、深さ約40センチ。主に甘夏を収穫する時に使う丸い竹カゴは万能で、温州みかんやキウイ、梅の収穫にも使う。果樹の収穫作業は傾斜地や...

2019年1月1日号

不自由に生きる

 人は誰でも自由に生きたいと思う。しかしながら、人間というものはいろいろな束縛の中に生きているので、自由になるということは無理なのだろう。
 学校や会社に行きたくないと思っても平日は行かなければならない。行くべき日に行かなければ親や上司や先生の小言を聞かなくてはならない。学校や会社...

2018年12月10日号

コタツにみかん

 みかんの季節になった。「コタツにみかん」といえば冬の茶の間の原風景だし、子どもの頃、行楽列車で食べた冷凍みかんも懐かしい。大衆果実の代表と言っていいと思うが、今はバナナとリンゴに抜かれて第3位に甘んじているという。世界中から変わったフルーツが輸入されてきて消費者の好みは多様化しておりみかん生...

2018年11月25日号

アパート探し今昔

 娘たちの不動産探しが難航している。ひとりは東京で仕事しながら、もうひとりは地方で学校に通いながらの物件探しなのでなかなか思うように進まないのは仕方がない。
 先に家を出た上の娘はワンルームに住んでいるのだが来春、東京の学校に進学する下の娘と一緒に住んでお互いの家賃コストを下げよう...

2018年11月10日号

愚親にして愚息

 愚息が通う専門学校の先生から手紙が届いた。成績が芳しくなく、就職活動もうまくいっていない、一度話し合われることをお勧めしますと書いてある。
 二十歳も過ぎているし、オヤジに仕事の面倒まで見てやれる甲斐性はないので話し合ってどうなるものでもないのだが、一刻も早く扶養家族を減らさねば...

2018年10月25日号

女心と秋の空

 女心と秋の空―。オヤジがコラムにのっけからこう書くとセクハラと言われかねない生きづらいご時世ではあるが、そんな変わりやすい天気が続いている。
 女心とはそれほどまでに変わりやすいのか。恋心のことを言っているのだろうが、家人を見ている限り、今まで機嫌がよかったのにアッという間に土砂...

2018年10月10日号

五十年

 信長が好んで謡い、舞ったという幸若舞の「敦盛」に「人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり。一度生を享け、滅せぬもののあるべきか」という有名な一節がある。世の無常、人間のはかなさを嘆息したこの台詞。元は熊谷直実という源氏の武将が吐いた言葉とされる。
 時は信長の時代からさ...

2018年9月25日号

ケとハレ

 スマホが鳴っているので出ようとしたらその瞬間に切れた。画面には親しくしている先輩の名前が表示されている。
 1学年上の先輩は早生まれなので小生とは同い年の時間のほうが長い。いまも57歳で同い年である。だが、小学校から高校までずっと一緒に野球をした仲なので体育会系の強固な上下関係は...

2018年9月10日号

夏風邪を引く

 珍しく夏風邪を引いてしまった。今夏は6月の梅雨明けをはじめ異例づくしで、暑く長い夏だった。西日本は豪雨の被害が大きくお見舞い申し上げたい。小生の住む地域では雨は比較的少なく2カ月もの間、ほぼかんかん照りだったのだが、盆明けに3日ほどそれまでの暑さが嘘のように涼しい日が出現した。
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