オヤジの社会学

2017年9月10日号

夏の終わりのセレナーデ

 子どものころから夏が好きだった。今はどうか。もちろん今でも夏は好きだ。好きだが、歳のせいか少々体がきつくなってきた。暑い盛りになれば、夏は十分堪能したのでもういいから一刻も早く秋になってくれぬかと念ずるようになった。夏の最中から一日千秋の思いで秋を待っている。
 蝉の声より鈴虫の音...

2017年8月25日号

アゲハの舞い

 盛夏のとある日。アゲハチョウが飛んでいるところをしばらく眺めていた。あちらへひらひらこちらへふわふわ。と思えば、落下したように急に飛行高度を下げてまた、あちらへひらひらこちらへふわふわ、あそこへふらふら。谷川俊太郎氏の詩のようであるが、言葉に表せばまさにこんな感じなのである。

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2017年7月25日号

ムッシュ追悼

 少し前の話になるけれど、ムッシュことかまやつひろし氏が亡くなった。ムッシュといえばグループサウンズ(GS)の雄、スパイダースのオピニオン・リーダーとして、また大ヒット曲「我が良き友よ」で知られる大物ミュージシャンである。
 父親は著名なジャズ奏者で、ムッシュ自身の音楽家としてのキャ...

2017年7月10日号

オヤジの夏

 太平洋高気圧が張り出し梅雨前線が日本海に北上すると俄然、夏の太陽が照りつける。梅雨はもう明けたと毎年恒例の勝手な梅雨明け宣言を出して愛車で海辺へと向かった。
 とはいえ、パンツ一丁で海に飛び込もうというわけではない。砂浜の上でカルビ焼肉のように焼き焦がされるのはもう御免だ。そうでは...

2017年6月25日号

ツバメ

 朝起きて庭に出るとここのところ家の前の電線にツバメが1羽、2羽止まっている。いつもこちら向きに止まっており、なんとなく様子をうかがっているかに見える。そうして電線を飛び立ち、家の軒下で急旋回してまた電線に戻る。
 ツバメは人間の作った構造物に巣をかけることが多い。民家や公共施設の軒...

2017年6月10日号

蚊帳今昔物語

 むかし中国のとある村に若者が住んでいた。若者は毎晩、村の居酒屋で大酒を食らって夜遅く家に帰って行った。村人たちは大酒を食らって嫁も取らない若者のことをよく言わなかった。ある日、村人のひとりが若者の暮らしぶりを見るために帰り道を尾けていった。若者が家に入ると、そこには年老いた病弱な母親が床につ...

2017年5月25日号

早生まれの悲劇  

 自分で確定申告していると時折、会社任せの年末調整ではまず気づかないだろうなと思われる税の意外な仕組みに驚くことがある。
 小生には今年大学を卒業して社会人になった娘が一人いる。高校を卒業して家を出て、都会のアパートで暮らしながら学校に通った。高額の教育費に加えて生活費の仕送りが家計...

2017年5月10日号

GWのオヤジ定石

 ゴールデンウィークに家族をどこへも連れていかない、これといって何のイベントもないというのもオヤジとして肩身がせまいので、せめて七輪に火を熾(おこ)そうかとなった。妻は調理の手が省けるし、子どもたちは肉がたくさん食べられるのでオヤジのすることとしては珍しく炭火焼は家族に好評なのだ。オヤジとして...

2017年4月25日号

陸と海の境界線

 海辺で暮らしていると時折、浜に生き物が打ち上げられているのを見かける。たまにテレビでも入江に入り込んで出られなくなっていたイルカが外洋に戻っていったとか、海岸に集団座礁したクジラを地元のダイバーらが海に戻そうとしたがうまくいかず、結局は死んでしまったなどというニュースを耳にする。
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2017年4月10日号

勝負事

 プロの将棋の世界が揺れている。昨年、羽生三冠から名人位を奪取した現役最強の佐藤天彦名人が先日行われたある一局でコンピューターの将棋ソフトに敗れるということが起こった。チェスの世界では世界チャンピオンが人工知能に敗れて久しい。もはや人間はコンピューターに勝てないとまでいわれている。少し前には世...

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