オヤジの喜怒哀愁

2019年10月10日号

台風復旧は長期化する

 日々のテレビニュースからは消えつつあるが、前号に続いて台風15号被害の続報。方々で引っ張り凧のブリキ屋さんが我が家の屋根を見に来てくれた。幸い異常なしとのことでひとまず安心。職人は言う。
 「こういうの(災害復旧)はよくないね、疲れるねぇ。たくさん仕事があるっていったって自分のと...

2019年9月25日号

空白の2日間

 停電したのは9月9日月曜の0時から2時の間だった。台風15号で被災した話である。そうして我が家に灯りが戻ってきたのが12日木曜18時半ごろだった。ほぼ4日間にわたって電気が止まっていたことになる。
 筆者の住む地域は市水は出るしガスも使えた。停電の影響で多くの店は閉めていたものの...

2019年9月10日号

カモフラージュ

 朝起きて窓を開けると網戸に木の枝のようなものが引っかかっている。よく見ればナナフシだ。網戸につかまっているから見分けがつくようなものの、森や林の中だったらまず小枝と見誤るだろう。生物が周囲の環境と容易に見分けがつかない状態にあることを擬態という。その方法は色や形や行動など様々だ。
...

2019年8月25日号

鰻屋

 ことしの土用の丑の日は7月27日で、もうとっくに過ぎてしまったが夏場は鰻でも食べて精をつけたくなる。
 筆者は鰻が好物なのだが、我が家の子どもたちで鰻が好きという者はいない。それどころかむしろ敬遠している。思うにこれはおいしい鰻屋の味を知らないからなのだ。
 何しろ「...

2019年8月10日号

夏に出るもの

 夏の風物詩といえば蝉の声、蚊取り線香、風鈴、かき氷、花火大会、祭り、夕立、盆踊り、枝豆、生ビール、ホッピーと枚挙にいとまがないけれど、そのうちのひとつに怪談がある。暑い夏の夜に一服の涼を提供する怪談話だ。夏の闇はたしかに何か出そうな気配に満ちている。子どものころの肝試しもやはり夏だった。肝を...

2019年7月25日号

ボサノバ

 1960年代、我が家のサニーの運転席と助手席の間にはエイト・トラックのカーステレオがついていて、そこからエンドレスで流れ続けていたのはボサノバだった。運転はもっぱら母親で、助手席でステレオを操作していた父親の趣味だったのだろう。
 ボサノバは50年代後半に生まれ、60年代に世界的...

2019年7月10日号

壁を塗る

 我が家を一間建て増ししている。部屋の壁をどうするか。ビニールクロス張りは味気ないし、といって左官職人に漆喰を塗ってもらえば高くつく。棟梁が「素人でも塗れますよ。楽しいもんです」というので自分たちで壁を塗ることにした。
 漆喰塗りの壁はメソポタミアや縄文時代の遺跡から発掘されている...

2019年6月25号

旅のトモ

 住まいの最寄り駅から出るJRのローカル線には先頭と最後尾の車両に対面座席がある。座席を挟んで窓の前にはカップホルダーの穴が2つ空いた小さなテーブルがついている。そこに座るだけで旅気分が味わえる。
 小さなテーブルの下には昔、四角い金属の灰皿がついていた。狭い車内で誰にはばかること...

2019年6月10日号

母の直感

 もうじき梅雨がやってくる。6月は筆者の誕生月である。それがどうしたと言われそうだが、おととし亡くなった母から何度か聞かされた話がある。
 6月にしては真夏のように暑い日にあなたは生まれたと母は言う。生まれた翌日に病室に連れてこられた赤ちゃんを抱いて母は違和感を覚えた。きのう出産直...

2019年5月25日号

大人の窓口

 企業の取材窓口となる広報担当にはスマートな女性が多い。窓口を務める彼女たちの仕事ぶりが企業のブランド・イメージをも左右しかねないわけで、さすがに応対に抜かりは無く、およそ声もいい。適材適所の人材が配置されているものだ。
 取材内容や当該部署、日程などを伝え、それが調整可能かどうか...