オヤジの社会学

2017年11月10日号

むずかしい庭

 よく手入れされた庭園を眺めるのは気持ちのいいものだ。ガーデニングという言葉もすっかり世に定着した感があり、庭づくりを楽しむ人は多い。
 庭の手入れの難しさは、やはり自然を相手にしているということにあるのだろう。草は生える、枝は伸びる、木は大きくなる。冬場は多少はじっとしているかも...

2017年10月25日号

立ち飲み天目

 途中、会社は変わったが、なぜか縁があって東京港区の西新橋、虎ノ門界隈に20年近く通勤した時代があった。外堀通りを渡って少し向こう側は千代田区で霞が関の官庁街、こちら側は飲み屋に事欠かないサラリーマンの街である。
 飲み屋はそれこそ星の数ほどあったが、行く店は限られてくるものだ。当...

2017年10月10日号

オヤジの味方

 いまどきの大会社は、ヤニ臭い時代遅れのオヤジなど相手にしていたら儲け損なう、ということなのだろう。近頃登場する新商品や新サービスはどうやら拙者などまったく眼中にないようだとひがみっぽく憂いている。
 我ながら大した高額商品を購入するわけではないし、日用品の消費も知れている。コン...

2017年9月30日号

嘆きの廉価ギター

 ベンチャーズやグループサウンズの全盛を知る1950年代生まれの人たちほどではないけれど、我々1960年代生まれもギター人口の多い世代。小生も幼いころよりギターに触れてきた。その割には大して上手くならず下手の横好きなのだが、車好きが車を買い替えるように、あるいは季節に合わせて服を着替えるように...

2017年9月10日号

夏の終わりのセレナーデ

 子どものころから夏が好きだった。今はどうか。もちろん今でも夏は好きだ。好きだが、歳のせいか少々体がきつくなってきた。暑い盛りになれば、夏は十分堪能したのでもういいから一刻も早く秋になってくれぬかと念ずるようになった。夏の最中から一日千秋の思いで秋を待っている。
 蝉の声より鈴虫の音...

2017年8月25日号

アゲハの舞い

 盛夏のとある日。アゲハチョウが飛んでいるところをしばらく眺めていた。あちらへひらひらこちらへふわふわ。と思えば、落下したように急に飛行高度を下げてまた、あちらへひらひらこちらへふわふわ、あそこへふらふら。谷川俊太郎氏の詩のようであるが、言葉に表せばまさにこんな感じなのである。

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2017年7月25日号

ムッシュ追悼

 少し前の話になるけれど、ムッシュことかまやつひろし氏が亡くなった。ムッシュといえばグループサウンズ(GS)の雄、スパイダースのオピニオン・リーダーとして、また大ヒット曲「我が良き友よ」で知られる大物ミュージシャンである。
 父親は著名なジャズ奏者で、ムッシュ自身の音楽家としてのキャ...

2017年7月10日号

オヤジの夏

 太平洋高気圧が張り出し梅雨前線が日本海に北上すると俄然、夏の太陽が照りつける。梅雨はもう明けたと毎年恒例の勝手な梅雨明け宣言を出して愛車で海辺へと向かった。
 とはいえ、パンツ一丁で海に飛び込もうというわけではない。砂浜の上でカルビ焼肉のように焼き焦がされるのはもう御免だ。そうでは...

2017年6月25日号

ツバメ

 朝起きて庭に出るとここのところ家の前の電線にツバメが1羽、2羽止まっている。いつもこちら向きに止まっており、なんとなく様子をうかがっているかに見える。そうして電線を飛び立ち、家の軒下で急旋回してまた電線に戻る。
 ツバメは人間の作った構造物に巣をかけることが多い。民家や公共施設の軒...

2017年6月10日号

蚊帳今昔物語

 むかし中国のとある村に若者が住んでいた。若者は毎晩、村の居酒屋で大酒を食らって夜遅く家に帰って行った。村人たちは大酒を食らって嫁も取らない若者のことをよく言わなかった。ある日、村人のひとりが若者の暮らしぶりを見るために帰り道を尾けていった。若者が家に入ると、そこには年老いた病弱な母親が床につ...

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