オヤジの喜怒哀愁

2019年6月25号

旅のトモ

 住まいの最寄り駅から出るJRのローカル線には先頭と最後尾の車両に対面座席がある。座席を挟んで窓の前にはカップホルダーの穴が2つ空いた小さなテーブルがついている。そこに座るだけで旅気分が味わえる。
 小さなテーブルの下には昔、四角い金属の灰皿がついていた。狭い車内で誰にはばかること...

2019年6月10日号

母の直感

 もうじき梅雨がやってくる。6月は筆者の誕生月である。それがどうしたと言われそうだが、おととし亡くなった母から何度か聞かされた話がある。
 6月にしては真夏のように暑い日にあなたは生まれたと母は言う。生まれた翌日に病室に連れてこられた赤ちゃんを抱いて母は違和感を覚えた。きのう出産直...

2019年5月25日号

大人の窓口

 企業の取材窓口となる広報担当にはスマートな女性が多い。窓口を務める彼女たちの仕事ぶりが企業のブランド・イメージをも左右しかねないわけで、さすがに応対に抜かりは無く、およそ声もいい。適材適所の人材が配置されているものだ。
 取材内容や当該部署、日程などを伝え、それが調整可能かどうか...

2019年5月15日号

昭和は遠くなりにけり

 「降る雪や明治は遠くなりにけり」は、俳人の中村草田男(くさたお)が詠んだ有名な句である。明治が大正に改元され、大正が昭和に改元されたのちの昭和6年に出版された句集にこの句は収められている。明治が終わってから約20年後のことだ。
 昭和が平成になり令和という新しい時代を迎えた。昭和...

2019年4月25日号

身近な選挙

 統一地方選挙で小生の住むB市でも市議選があった。我々にとって一番身近な選挙であり候補者には直接知っている人が何人もいる。
 たまに行く近所のラーメン店の店主、息子が小学生の時にお世話になったスポーツ少年団の団長、祭りを仕切る地元青年団の元団長、迷惑施設反対運動で知り合った人たちな...

2019年4月10日号

打つ手の力

 小生が仕事をするようになった頃はまだ手書き原稿の時代で、原稿を和文タイプで打ち直して版下を作り、フィルム製版して輪転機にかけていた。印刷会社に頼む時は手書き原稿を渡して版組みしてもらい、校正して印刷に回した。ところが印刷物の制作工程はこの30年の間に様変わりした。
 まずはワープ...

2019年3月25日号

ダイヤルをひねる

 一合徳利に燗をつけるダイヤルのベストポジションを長年かけてやっとつかんだ電子レンジが壊れ、デジタル式に変えたらどうしても前のようにうまく燗をつけることができなくなったという忘れることのできない苦い経験がある。ダイヤルを好む者には、常にベストなプレーをするためにダッグアウトからセンターの守備位...

2019年3月10日号

淡き春の記憶

 卒業、入学シーズンを迎えている。長~い夏休み、クリスマス、正月と盛りだくさんの冬休み、これに対して春休みというのはやはり年度替わりで新たなステージへと切り替わる微妙な雰囲気を持っている。
 中学と高校の間の春休みに女の子を初めて映画に誘ったのを覚えている。こんなオヤジにもビージー...

2019年2月25日号

急増する児童虐待

 信じられないような児童虐待の酷いニュースが後を絶たない。とはいえ、親なら誰しもしつけのつもりがついカッとなってガツンとやってしまうこともある。虐待としつけとの境界線はあいまいで、親にとってこの問題はどこか身につまされるところがある。
 1年間に児童相談所に持ち込まれる虐待の相談件...

2019年2月10日号

薪の火力

 以前、借りて住んでいた家は山を背負っていて、よく木を切った。強風の後は倒木があったし、適当に枝を払わないとすぐに家が山に埋もれてしまうため仕方なく切っていたのだが、家にはかまどがあって気が向くと薪で飯を炊いた。
 木をかまどの奥行きに合わせて30センチぐらいの長さにチェーンソーで...