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けんかっ早いけど人が好き Vol.13

榛名山でデトックス

毎年、秋にロングドライブに行く仕事がある。時期も行く場所も自分で決めていいので紅葉のタイミングを狙うのだが、ことごとくはずしてしまう。夏からの気温の変化や、その地域の紅葉情報をぎりぎりまで見極めて向かうことができればいいのだが、それでは宿がとれない。紅葉が人気の地域の宿は、夏には埋まってしまうのだ。

快晴に恵まれ、きらめく榛名湖と榛名山

今年の夏、コロナの陽性者数がすさまじいなか、私はカレンダーと昨年の陽性者数の推移をじっとにらみ計画をたてた。この状況だと緊急事態宣言は9月末まで続くだろう。しかし10月になれば解除されるはずだ。そして昨年は11月の換気がしにくい季節になると再び陽性者数が増加している。狙うなら10月だ!

10月に紅葉が見ごろを迎えるとなると緯度と標高が高い地域になる。頭のなかで地図を広げ、狙いを定めたのは群馬県である。

群馬県榛名山。以前、ドクターヘリの本を書いたときに秋から冬の初めにかけて前橋赤十字病院に通わせていただいたのだが、そのとき病院のヘリポートから見えていた榛名山の紅葉がそれはそれは見事だったのだ。今年はあの山のふもとに行くぞ。

10月末。私は榛名山に向かった。するとどうだろう、昨年まで紅葉をはずしまくった分を取り戻すかのように、見事な景色に迎えられたのである。澄みわたる青空をバックに鎮座する赤や黄色の山々はまさに一枚の絵のようで、紅葉のなかをあちらこちらとクルマで走り回った私は、満足感とともに気分も爽快。まさに心のデトックスである。

千葉大学大学院教授の岩崎寛氏によると、オフィスの机に観葉植物を置くだけで効果があるほど、植物を見るとストレスが軽減するのだそうだ。それを聞いて私は合点がいった。コロナのあいだ悶々と過ごしていたのは、単に好きな「移動」をしないせいだと思っていた。しかし、これでもかというほど自粛した私はいつも住宅街やビル群ばかり見ていたのだ(ついでにスマホ)。毎日、ウォーキングをするといっても住宅街では庭の草花がちろりと生えているだけ。これではストレスもたまるというものである。都会生活者にとって街を抜け出すことは心身を整えるのに必要不可欠な行為。ドライブ、万歳である。

岩貞るみこ(いわさだ・るみこ)
神奈川県横浜市出身。自動車評論のほか、児童ノンフィクション作家として活動。内閣府戦略的イノベーションプログラム自動運転推進委員会構成員