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けんかっ早いけど人が好き Vol.21

緑内障

目玉親父のような写真は、私の目である。眼科医院で撮影してもらった眼底写真。視神経が写っている。
緑内障という目の病気をご存じだろうか。白内障と名前が似ているが、表面のレンズが白濁するが手術で見えるようになる白内障に対し、緑内障は視神経に異常が起きる病気で何年もかけて視野が不規則に欠けていく。右と左で欠けるポイントが異なるため本人は気づきにくく、発覚したときは運転も危険なくらい進行していることが多いのだそうだ。日本では40歳以上の20人に一人がかかっている。

きれいな目って言われたのに、そんな怖い爆弾を抱えているとは。

治療法はない。点眼薬で進行を遅らせることしかできず、つまり早期発見早期治療がなにより大事だ。私たちは健康寿命を意識して歳を重ねているが、さらにクルマ好きとしては運転寿命を伸ばしたい。しかし今、認知症とは別の敵が顕在化したというわけだ。

この恐ろしい緑内障を知った私は怖くなり昨夏、友人の眼科医で検査をしてもらった。結果、「今はいいんだけど」と前置きされ、衝撃の事実を告げられた。なんと私の目は、急性緑内障発作という突発的に緑内障を発症し、しかもすごい勢いで症状が進むタイプなのだという。なんだそれは! 詳しい発症メカニズムは行数が足りないので割愛するが、げっ、とのけぞったのは言うまでもない。今後は定期的な検査のほか、白内障になったらすぐに手術をせよ(白内障になると目のレンズに厚みが増し発作を起こすらしい)とのことだった。のけぞった私はそう聞いて少し安心した。白内障になるまではまだ時間がある。定期検査しておけば問題がないのなら、大丈夫ではないか。

ところが数日前、その眼科の先生と雑談をしていたときにとんでもないことを聞いた。急性緑内障発作は、不安やストレスを感じたときも起きるのだという。聞いてないよ!

「いえ、そうたびたび起こるわけじゃないから」

先生はそう言うけれど、知ってしまった以上、不安はつのる。いや、不安がダメだから不安になっている場合ではない。ううむ、どうすれば……。読者のみなさん、他人事ではない。まずは検索サイトで「緑内障、セルフチェック」と打ち込み、パソコンのディスプレイでできるセルフチェックをぜひ!

(2022年3月25日号掲載)

岩貞るみこ(いわさだ・るみこ)
神奈川県横浜市出身。自動車評論のほか、児童ノンフィクション作家として活動。内閣府戦略的イノベーションプログラム自動運転推進委員会構成員