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けんかっ早いけど人が好き Vol.23

犬が飼いたい

犬派である。中学生のころから捨て犬を拾ってきては飼っていた。犬のいいところは、その瞬間に全力投球することだ。打算がない。駆け引きもしない。損得勘定はもちろんない。餌をあげれば全力で食べる。散歩につれていくと全力で楽しむ。飼い主が悲しいときは言葉で説明しなくても察知して、なぐさめてくれる。いい。実にいい。

飼い犬ごと遊びにきてくれる友人には感謝である

猫派の友人たちは猫も愛すべき存在だと言うが、以前、イタリアに在住時にルームメイトが飼っていた二匹の猫たちの猫っぷり(なんだそれは?)は、今も思い出すだけで腹が立つ。やはり犬だ。犬に限る。

コロナで在宅時間が増えたせいか近所に飼い犬が増えた気がする。ウォーキングしているとさまざまな犬たちに出会うのである。犬好きが伝わるせいか犬にも好かれるため、犬たちは私を見ると寄ってきてくれるのだが、いかんせんコロナだ。勝手に頭をなでるわけにもいかない。「ごめんね。コロナだからさわらないよ?」と、つぶらな瞳で見上げてくる彼らに語りかけ、心のなかで「ぐぬぬ、コロナめ」とコロナを恨んでいる。

いっそのこと我が家にも犬をお迎えするか? 最近、真剣に考えている。どうせコロナはしばらく続く。会議はもうリアルにはもどらないだろう。以前は出張だらけで家にいる日の方が少なかった私でも飼えるのではないか? ただ、問題がある。私は大型犬が好きなのだ。飼うならゴールデンレトリバーかプードルだ。ボーダーコリーも捨てがたい。もふもふの大型犬がたまらなく好きなのである。

しかし問題があった。これら犬種は暑がりである。かたや私は寒がりで夏のエアコン設定温度は29度だ(ケチなわけではない)。これでは家の中で共存できないではないか。しかも我が家は狭小住宅であり、二階で生活をしている。体重が30㌔近くある彼らが弱ったとき二階まで担ぎ上げられるのだろうか。こうして考えると、涼しい地方の広い平屋で飼ってあげたくなってくる。なんならリードなしで走り回れる庭があったら最高だ。となると、移住。北海道か。もしくは私の大好きな八ヶ岳の麓か? 私の年齢と体力からして大型犬を飼うのはこのタイミングがラストチャンスだろう。犬との移住生活。魅力的なだけに、今、本気で悩んでいる。

2022425日号掲載)

岩貞るみこ(いわさだ・るみこ)
神奈川県横浜市出身。自動車評論のほか、児童ノンフィクション作家として活動。内閣府戦略的イノベーションプログラム自動運転推進委員会構成員