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EVの普及、私は楽しみ

DMG森精機 取締役社長 森雅彦さん

「日本電産さんが面白い発表をした。EV化に絡み歯車を加工する工作機械メーカーを買ったと」

そう明るく話すのはDMG森精機の森雅彦社長。日本電産は三菱重工工作機械のギヤに精通する人材と技術力を獲得し、EV分野の内製化を進めるもよう。工作機械業界からするとあまり面白い話とは思えない気がするがそうではないと言う。「EV化するとエンジン回りの加工がなくなり、工作機械受注の20%が消えてなくなるという大きな誤解がある」ときっぱり否定する。

自動車用のモーターは工作機械の主軸に付いているモーターよりもずっと強力で、モーターおよびその周辺の加工に工作機械が大いに貢献するという。

「自動車バッテリーは熱との戦いだからその周りに冷却水を流さないといけない。流路はなめらかに加工する必要がある。ダイキャストしっ放しでは無理で、削りで出さねばならない。用途は変わるがEVになっても必要な部品の量は(エンジン車と)変わらないだろう」

それだけではない。重いバッテリーが載ったEVの航続距離を伸ばすには軽量化が欠かせない。そのために今まで金属製だったボディをプラスチック製にするとなると、プレス金型からプラスチック金型に変わる。

「大きな金型を利用することになり、それを短時間で削れる工作機械が必要になる。金型の補修はアディティブ(積層造形加工)でいかにやっていくか。テスラなどEVメーカーの動きが世間を賑わせているが私はまったく心配していない」

(2月12日、決算発表後のオンライン会見で)