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大型樹脂成形品を均一に5倍発泡

三恵技研など開発、軽量・防音性を付加

 三恵技研工業(東京都北区)と日本油機(神奈川県相模原市)は共同で大型プラスチック成形品の高倍率・高精細発泡成形技術を開発した。部品の軽量・防音・断熱化につながるため電気自動車(EV)など様々な用途に使われる可能性がある。
 発泡剤として窒素ガスや二酸化炭素などを使用する物理発泡法を採用し、600㍉メートル角相当のプラスチック成形品(ポリプロピレン)で5倍発泡成形を実現。三恵技研の技術センターは「発泡部品の強度を維持しながら約25%軽量化することが可能」と言う。従来法(化学発泡および物理発泡)に対して比較的低いガス圧で微細発泡成形する、マクセルと京都大学が開発したRIC-FOAM技術をベースに、マクセルの協力のもと三恵技研と日本油機が開発した射出ユニットを芝浦機械が装置として組み立てた。
 広い面積でも均一に膨らますことができるのがポイントで、自動車の外装やエンジンのカバーなどの用途が想定される。また防音性能を付加できるため三恵技研は「静かに走行するEVでは運転手はタイヤなどから発生するロードノイズが気になり、それを防ぐことに貢献できそうだ。200×400㍉サイズの板を年間100万枚ほど生産できる目途がついた」と話し、自動車・鉄道・家電産業などの部品づくりに協力する考え。

2022425日号掲載)