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三菱電機、制御データと映像の同時記録が可能に

システム構成例

作業者に依存しない保全

 生産現場でデータマネジメントによる業務の効率化が進展している。事務所や外出先にいながら稼働状況を把握することも当たり前になりつつある。状況把握の一歩先にある保全業務に焦点を当てたサービスが出てきた。
 三菱電機が昨年開始した「トータル保全ソリューション」がそう。製造元が異なる機器、装置、ラインでも、各階層に応じた「予知保全」「予防保全」「事後保全」ができるいうものだ。客観データを収集し、AI技術などを活用。作業者の感覚に依存しない分析で工場全体の保全業務を最適化し、ダウンタイム短縮、生産性向上、品質強化につなげる。
 昨年末には、事後保全向けの製品として、カメラレコーダユニットと高速フレームレートFAカメラを発売した。装置の制御データと生産現場を撮影したカメラ映像の同時記録が可能。生産現場の装置を現地で実機確認することなく、エラー発生や設備停止の状況を遠隔から確かめられる。
 同社製シーケンサを軸に構成する。外部からの不正アクセスを防ぐため、シーケンサにはIPフィルタ機能やファイルパスワード機能などを標準搭載した。FA市場のなかでも、加工や組立などの生産工程を中心に需要を見込んでいる。
 産業用ロボットにも利用可能。広報部の担当者によれば、「他社製ロボットコントローラでも制御データをシーケンサに取り込むことで、時系列データの分析や要因解析が行える」という。
 レコーダユニットは、ロギング(データ記録)の開始条件と記録時間を指定するだけで設定が完了。シーケンサ向けのソフトウェア「MELSOFT GX Work3」(別売)を併用することで、カメラ映像、制御データ、シーケンスプログラムの関連性を可視化し、リモートワークでも容易にトラブルを解決できるようにした。
 社内のシーケンサ生産ラインに導入したところ、生産設備エラー改善で稼働率が向上したうえ、生産設備停止の調査時間削減ができたという。
 FAカメラは、フレームレートを「業界最高速」200fpsまで上げたことで、従来のネットワークカメラで困難だった高速移動体の撮影を可能にした。ロボットによる部品のピッキング、高速ソータ上のワークなどにも対応する。
 レコーダユニットとの連携で、カメラとシーケンサ間の高精度な時刻同期も可能に。可変焦点レンズの採用により、カメラ設置後も撮影範囲を容易に変更できる。
 前出の担当者は、「生産設備のトラブル発生時の早期復旧、生産設備の立ち上げ調整の容易化は、製造業における共通の課題であるため、シーケンサが使用される生産工程での採用が期待できる」としている。