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安川電機、協働ロボなど3機種連続投入

可搬質量を倍にした防じん・防滴仕様の協働ロボット(MOTOMAN-HC20DT)

食品向けや防爆仕様等、特徴持たせ

 安川電機(小笠原浩社長)は、安全柵が不要な協働ロボットの新製品2機種と、防爆仕様のハンドリングロボット1機種を、去る11月最終週に連続して発売した。
 協働ロボットは、可搬質量を従来モデルの倍に向上させ、協働ロボットの適応領域を広げた防じん・防滴仕様タイプが一つ。もう1機種は、食品製造ラインでの使用を念頭に、塗装片の混入リスクを排除するなど安全性と衛生面に徹底配慮したタイプを販売開始。同時に、塗装エリア内での使用に対応した防爆仕様のハンドリングロボットも上市した。
 このうち防じん・防滴仕様の協働ロボットは、今年7月に発売した従来モデルの進化版的タイプ。従来モデル同様、ちりやほこり、液体の混入などが懸念される苛酷環境に対応しつつ、可搬質量を倍の20㌔に向上させた。これにより「大型ワークや複数ワークの同時搬送といった工程にロボットを活用できる」(同社)。自動車・機械関連部品の搬送・組立、工作機械へのワーク投入、食品搬送、薬品や化粧品などの搬送と、広い用途を見込む。
 食品仕様の協働ロボットは、ロボット本体の表面に特殊なメッキ処理を施し、ロボットの塗装片の混入を排除する一方、ロボットで使う潤滑剤に食品グリースを採用。ロボット全体の洗浄も可能で、衛生的な食品製造ラインに貢献する。食品製造工程での搬送や食材のもりつけほか薬品・化粧品の搬送などをターゲットにする。
 2機種の協働ロボットはともに全軸においてIP67(じんあいは侵入せず、一時的な水没に対して保護できる)を実現。制限値を超える力を検出して自動停止する機能や、挟み込みを防ぐ形状の採用なども特徴。従来のティーチング以外に、ロボットアームを直接手で掴んで自由に操作し、任意の動作を教授できるダイレクトティーチング機能も備える。
 一方で防爆仕様のハンドリングロボットは可搬質量を45キロに高め、移載可能なワークを広げた。最大リーチ2850㍉の設計で動作範囲を広くしており、ワークとの接近性がよく「設備の省スペース化に貢献できる」(同社)。床置き、棚置き、壁掛け、天つりとさまざまな設置が可能。塗装エリア内でのワーク移載、塗料・溶剤などの投入作業に好適。
 3つの新機種とも価格はオープン設定。(20191210日号掲載)