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三菱重工、GoogleCloudのAI導入

自動化促進と作業効率化に活用

 三菱重工業とGoogleは製造現場へのAI導入・活用事例の記者説明会を1025日に開催した。Googleは今年5月、自社クラウドサービスの新機能として「VertexAI(バーテックスAI)」を発表。モノづくりの現場での活用事例が早くも紹介されるかたちとなった。
 バーテックスAIを導入したのは三菱重工の広島製作所・江波工場。同工場は日本最大の大型民間航空機用アルミ胴体パネルの組み立て拠点であり、ボーイング767777の主翼後方部分の胴体パネルの製作を行っている。
 同工場はコロナ化禍による生産レートの大幅な引き下げを余儀なくされているが、アフターコロナ後の需要回復を見据えるとともに、将来の技術基盤を構築するため、操業にあわせた事業のスリム化、デジタル化及び自動化技術の高度化と研鑽、デジタル人材の育成に取り組んでいる。
 同工場では2017年、世界初となる多品種の胴体パネル自動機組立ラインを構築し運用をスタートしているが、乗降口などの狭隘部は、職人に依存した手作業での組立に頼らざるを得なかった。
 こうした労働集約型作業の効率化に対してはWEBカメラとバーテックスAIを活用し、手作業で行っていた膨大なデータを集約し、データの可視化や活用、分析を実現した。これにより作業生産性指標が自動で取得できるようになり、リアルタイムでのデータ収集や熟練者の経験や知識の形式知化、チャンピオンタイム活用による事業強化に活かしていくという。
 バーテックスAIの導入理由について同社は「少量の学習データでも継続的にAIのアルゴリズムを開発できることや、GUIの操作でコードに詳しくなくともアルゴリズムを容易に開発できる点」を挙げた。
 航空機の胴体は月産1~2機といい、数百~数万台といった規模の品目に比べると、AI開発に必要な学習データの量などに制約がある。こうした条件下でも最初のAIアルゴリズムを1カ月ほどで作成できたといい、現在も継続的に開発作業に取り組めているという。

20211110日号掲載)