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柳瀬、オーストリアのエンドエフェクタメーカー日本代理店に

柳瀬(株)

圧力を一定に高速補正、研磨の自動化を推進

 研磨材メーカーの柳瀬が、オーストリアのFerRobotics(ファーロボティクス)社と販売パートナー契約を結んだことを発表した。ファーロボティクス社は接触力を高速で自動補正するエンドエフェクタの開発製造を手がける。柳瀬は販売網を通じ、サンディングやグラインディングなど各種研磨作業におけるロボットを用いた自動化をより加速させる考えだ。
 柳瀬の柳瀬孝之社長によると、契約のきっかけは柳瀬社長がYouTubeでファーロボティクス社のエンドエフェクタを活用した研磨の自動化システムの動画を試聴したこと。「これまでのロボットを活用した自動研磨システムにおける日本の主流は、顧客の要望に従って仕様を作り込む『注文住宅』のようなイメージでした」と柳瀬社長。「それに対しファーロボティクス社のシステムは、決まったユニットに対し顧客ごとに多少のアレンジを加える形。新鮮さを感じ、連絡を取ったところ代理店契約を結ぶことになりました」と経緯を語る。
 繊細さが求められる研磨はこれまで、自動化が難しい分野の1つとされてきた。しかしファーロボティクス社のエンドエフェクタは、ワークの反りや曲面、研磨材の磨耗などによって生じる圧力の差を高速で自動補正できる。柳瀬社長も「あらかじめ設定した一定の圧力を常に維持できる。人の感覚に近く、さらに研磨スピードも速いため厳しいサイクルタイムにも応えることができ、欧州の自動車メーカーなどで採用されている」と太鼓判を押す。
 システムの構築も簡易だ。おおまかな手順としてはユーザーの希望に沿った工具を選定してユニットに取り付け、あとはロボットに装着してワークの任意のポイントに研磨材が接触するよう動作をプログラミングするだけ。「ファーロボティクス社の考え方は非常に明瞭です。圧力調整はエンドエフェクタが行い、ロボットはワークの当てたい箇所に任意の研磨材を当てて動作を行うだけ。我々としても販売しやすいシステムと考えています」(柳瀬社長)という。
 拡販にあたってはロボットSIerとの協業によるシステム全体の提案販売のほか、エンドエフェクタの単品販売も行う予定だ。「ユーザーの考え次第でどちらにも対応します」と柳瀬社長。「いずれの方法でもユーザーの自動化は果たせるわけですから、販売方法にこだわり門戸を狭めるのは良くないと考えます。これからの時代、ソフト(研磨材)の販売だけでは成長に限りがありますから、自社が先陣を切って最新の自動化技術を提供することで、それをソフトの販売や成長につなげていきたい」と展望する。
 注力分野に掲げるのは自動車や船舶、鉄道車両などの量産部品の製造工程。すでに複数の引き合いを獲得しており、ユーザーからの関心にも手ごたえを感じている。1020日からの「メカトロテックジャパン2021」では、デモ機を用いた自動研磨システムを披露する予定だ。

2021925日号掲載)