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日本工業大学の工業技術博物館で収蔵蒸気機関車資料展

同館にて動態展示されている蒸気機関車「2100形-2109号」

4月16日まで

 登録有形文化財、近代化産業遺産への認定を受けた機体を多く含んだ、270台もの工作機械を収蔵・展示する日本工業大学工業技術博物館(埼玉県南埼玉郡宮代町学園台4-1)。その約7割は動態保存されており、実際に動く姿を見ることができる。
 324日から、同館が所有・管理をしている英国ダブス社製の蒸気機関車「2100形-2109号」が130歳を迎えたことを祝した、写真・資料展を開催している。この機関車は旧国鉄の東北本線や中央本線で活躍の後、西濃鉄道に移籍。1970年に廃車が決まったが、その歴史的価値を保存するため大井川鉄道で動態・静態管理されていた。92年に同大学に寄贈され、翌年から同大学に敷設された約120㍍のレール上で有火運転が定期的に行われるなど親しまれている。
 同館では昨年12月に新収蔵されたオークマ製のパラレルリンク形マシニングセンタ(2002年製)も見ることができる。同製品はその名の通り6軸からなるパラレルリンク機構を持つ。高速・高精密な動作が可能である反面、剛性がないため加工精度が出にくいことを理由に日本ではあまり普及しなかった。一方で、時代を反映する1台としての歴史的価値は高く、オークマからの寄贈により同館が収蔵するにいたった。 
 併設する「工作機械専門図書・資料室」の整備も進み、工作機械技術史を多角的に学べる環境作りを更に強化していく考えだ。

2022325日号掲載)