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HCI、配送ロボットの代理店に

(株)HCI

泉大津市立図書館に9月導入

 ケーブル製造装置メーカーとロボットシステムインテグレータの2つの顔をもつHCI(大阪府泉大津市)は6月から近畿地区の代理店として、多用途の配送ロボットの本格販売を始めた。扱うのは中国・深センのベンチャー企業Pudu Robotics2016年設立)が開発した3機種。4つあるトレーに物を載せて自動で運ぶことができる。3D障害物回避センサーや自律ナビゲーション機能を持ち、飲食店・工場・病院・事務所・スーパーマーケットなどで使えるという。価格は税別で200~250万円。
 HCIBtoCも視野に導入サポート、メンテナンス、アドバイスを行う。また導入検討のためのテスト利用を1週間で8万円程度、1カ月で20万円程度で提供する考えで、リースでの提供も検討中という。
 この配送ロボットは9月にオープンする予定の泉大津市立図書館「シープラ」(約3千平方㍍、蔵書数15万冊の予定)に導入される。人手に頼っていた不明本の検索、予約本のピッキング、蔵書点検などのオートメーション化を目指し、泉大津市とHCI68日、「ロボットを活用した事業連携に関する協定」を締結した。まずは配送ロボットを来館者の案内用に活用し、図書館システムを構築しながら、ロボットがRFIDで本の情報を収集し、タブレット端末でスタッフが現状を把握できるように検証を重ねていくという。
 HCIの奥山剛旭社長は「(シープラの)河瀬裕子館長から図書館について、重い本を持って歩かなければならなかったり、本があるべきところになかったりということが課題になっていると聞いた。本の運搬や来館者の案内をこのサービスロボットで解決したい」と話した。南出賢一市長は「泉大津市は今年1月、関西万博の共創パートナー第1号として登録した。これは『街』というフィールドで『どんどん実証実験をやっていきます』という意思表示。図書館だけでなく市役所、市内各所で展開し、泉大津市が『ロボットの街』『実証実験の街』としてショールームのように取り組みながら、オセロの1枚をひっくりかえしたい」と意気込む。

2021625日号掲載