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ティアフォーや川重、国内初 5G使った自動配送ロボの公道実証

川重の自動配送ロボット

ラストワンマイル配送

 ティアフォー、川崎重工業、KDDI、損害保険ジャパン、小田急電鉄、ホテル小田急、(一財)公園財団の7者は、210日までの20日間、西新宿エリアで自動配送ロボットが5Gを活用して公道を走行する実証実験を国内で初めて実施した。飲食物などのラストワンマイルの配送を遠隔地から監視・操作することを目指す。
 この実験は東京都の「令和3年度西新宿エリアにおける5Gを含む先端技術を活用したスマートシティサービス(5G等活用サービス)実証事業」に採択されたことを受けて実施。西新宿エリアは「スマート東京」の先行実施エリアであるとともに、「TOKYO Data Highway基本戦略」における5Gの重点整備エリアの一つに設定されている。今回の実験に先立ってティアフォーは、これまでに岡山、茨城、福島、東京で計4回の試験を重ねてきた。
 実験は自動配送ロボット向けの各種ツールや運営トレーニングなどをパッケージ化して提供するティアフォーが全体を統括し、川重は30㌔グラム可搬で80サイズ(3辺合計80㌢メートル)を6個ほど載せられる自動配送ロボットを開発・提供。ホテルサービスの飲食物を載せて片道約500㍍の公道を1日に5往復ほど、荷崩れなく自動走行した。自転車が勢いよく後方・左右から近づいた際はそばで待機していた人が安全を期すため介入したが、それ以外は自動走行および遠隔操作で対応したという。5Gの特性を生かし、「㌢メートル単位の高精度な測位が可能だった」(KDDI事業創造本部の泉川晴紀次世代基盤整備室長)と言う。
 ティアフォーの田中大輔COOは今後の課題として「いろんなサービスを組み合わせた付加価値の向上、より多くのロボットを運用できる拡張性の向上、多くの人に利用されるために積極的なマーケティングが必要になる」と29日に開いたウェビナーで話した。地震時には人が近くの公園まで手押しで避難させたり、自走ロボット専用の保険を用意したりして、2023年の本格的な実装を目指す。

2022225日号掲載)