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京セラ、燃料電池「エネファーム」

環境に優しく災害時に強い

 京セラは固体酸化物形燃料電池(SOFC)の研究開発技術への取り組みと、今後の展開について128日、プレス向け説明会を開催した。
 燃料電池は、水素と酸素を化学反応させて電気を作るクリーンな発電装置で、同社は1985年から研究を開始。発電の心臓部となるセルと、セルの集合体であるセルスタックは同社のファインセラミック技術をベースとした高出力密度と高信頼性を併せ持つ『円筒平板型セルおよびセルスタック』を開発。2011年に量産化を実現し、2019年には狭小住宅や集合住宅のベランダにも設置可能な世界最小の家庭用燃料電池システム「エネファームミニ」を発売している
 同社スマートエナジー事業本部SOFC事業企画部の鬼丸長吾郎氏はSOFCと「エネファームミニ」の利点を次のように説明した。
 「大規模集中型の火力発電設備を凌ぐ高い発電効率に加え、コージェネレーションなので発電に加え排熱もお湯に利用するなど省エネ性に優れる。1台当たり年間1トン以上のCO2削減効果もあり今後、国の普及目標である2030年に530万台の普及が達成できれば 530万トン以上のCO2削減が見込める。停電時発電継続機能付きモデルは、天候や昼夜を問わず長時間停電に対応でき、自然災害の多発による停電リスクに対しても『在宅避難』が可能で、レジリエンス性も有している」。
 今後については、年間4万台の販売を目指すとともにセルスタックの改良でさらに小型化を目指し、既存の集合住宅などへの普及を目指していくという。

2021210日号掲載)