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山善、国際ロボ展で多彩なロボット提案

メーカーの強み、商社が「かけ算」

 山善(長尾雄次社長)は昨年1221日までの4日間、東京ビッグサイトで開催された「2019国際ロボット展」に30小間(青梅展示ホール)の規模で出展。ロボ本体からハンド、ソフトなどの周辺機器まで複数メーカーの強みを「かけあわせる」商社ならではの機能を発揮し、金属加工からバリ取り、搬送、測定、洗浄など多彩なロボットソリューションを一堂に披露した。
 ブース正面ではストーブリ製の多関節ロボット(TX200、最大可搬130キロ)とトライエンジニアリング製のスピンドルモータ(毎分1.5万回転)による「高品質切削加工ロボットシステム」のデモを実演して注目を集めた。トライエンジニアリングによると「ストーブリ製のロボは剛性が高い上に、繰返し位置決め精度が±0.06ミリと桁違いに良く、高精度加工をロボット化しやすい。ロボット走行軸などと組み合わせれば加工領域を拡大しやすく、大型ワークの部分加工などに向いている」という。
 金属加工ではそのほかにも、工作機械の加工室内にロボットアームを搭載した「ARMROID」(オークマ)、小型マシニングセンタ用パレットローダーシステム「NEXSRT」(三和ロボティクス)などで省人化を提案した。

■AIで不良を簡単識別
 人協働ロボットの実演もブースの各所で実施した。ファナック製の協働ロボを用いたワーク外観検査の自動化デモでは、AIソフトウェア「Cassava」(キャッサバ)が外観画像を解析し、キズやサビ、着色不良、凹みなどあらゆる種類の不良を、まるで人の目視検査のように一度に検出できるシステムに注目が集まった。
 ソフトは京都大学発のベンチャー「Anamorphosis Networks」が開発したもので、「輝度の調整も要らず、数百程度の良品データのみを学習させるだけ。様々な不良を99.8%以上の精度で識別できる」(菱光社)。さらに同デモではマグネスケール製の測長スケールをNKE製のチャックに取り付けた「チャックスケールユニット」をハンドに採用し、測長の自動化も同時にみせた。国家計量標準に対応した実測値として測長できるので、トレーサビリティの確保も可能だ。
 テックマンロボットの協働ロボのデモでは、簡単操作を強調した。パソコンのアプリ感覚で初心者でも容易にティーチング可能。作業エリアの「TMランドマーク」を標準搭載のカメラで認識することにより、ワークが傾いたりした場合も位置ズレを自動補正して正確に掴めるという。デモでは、外部からの吸気が要らない電動バキュームグリッパー「VG10」(OnRobot)を用いて複数のボトルを吸着し、小さな箱にスムーズに移載してみせた。
 また、ダイアディックシステムズのスマートロボットと電動ドライバー「delvo」(日東工器)のコラボによる小ねじのねじ締めの自動化、ロボット洗浄機(有光工業)へのワークの出し入れを自動化できる手押し台車搭載型の協働ロボ(安川電機、バイナス)などのデモも注目を集めた。

2020125日号掲載)