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日本製半導体装置販売、22年度に初の4兆円台へ

SEAJが予測を上方修正

 日本製半導体製造装置の販売額がついに4兆円を超えそうだ。(一社)日本半導体製造装置協会(SEAJ、会長=牛田一雄・ニコン取締役)が77日まとめた需要予測によると、2022年度の販売額は前年度比170%増の4283億円になるという。ウクライナ紛争の長期化やインフレ加速による個人消費への影響、サプライチェーンの混乱と部品不足は続いているものの、「大手ロジック・ファウンドリー、メモリーをはじめとした積極的な投資姿勢は維持されている」とし、今年1月の予測額よりも5千億円弱上積みした。
 同日の会見に出席した牛田会長は需要はまだ拡大するとの見方を示した。「中長期的にDX、自動運転を含めたAIGXなどの拡大がけん引役となる。半導体を使ってエネルギー消費を抑えるとともに生産性を向上させる必要がある」と話した。半導体調査統計専門委員会の吉川秀幸委員長は市場のけん引役として5G・ハイエンドスマホ、データセンター、グリーンデジタルなどを挙げ、「データセンター向け需要などは右肩上がりに拡大し、半導体装置の需要は新しい局面に入っている」と見る。23年度および24年度はともに同50%増を予測する。
 これらの予測が正しければ、半導体の需要に対して供給不足が膨れ上がりそうに思える。渡部潔専務理事は「もともとPC向けだったものがデータセンター、5Gスマホ、自動運転車とけん引役が多層化しており、これを踏まえて業界では準備をしてきた」と話す。牛田会長は「国家レベルで対応する重要事項なので不足の問題は深刻にはならない」とする。
 一方で日本製FPD製造装置は前回予測と大きな変化はなく、22年度の販売額は同09%増の4850億円を見込む。需要の8割を占める中国でのロックダウンの影響から上期の販売は大きく落ち込むが、年間を通した数字は平準化するという。23年度は同72%減、24年度は同89%増を予測する。

2022725日号掲載)